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貿易コラム

2021年10月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年10月物流ニュース

この記事を動画で見る どうもこんにちは飯野です。 今回は2021年10月の物流や海運に関するニュースをお届けします。今月も役立つ情報を厳選しましたのでお楽しみ頂ければと思います。 それでは、いってみましょう。 輸入リーファーコンテナのフリータイム ゼロへ 世界的なサプライチェーンの混乱によりコンテナ不足が深刻になる中、コンテナ船社はコンテナの無料保管期間であるフリータイムの削減に踏み切っています。 日中航路では中国船社が10月からフリータイムの算出方法を変更し、リーファーコンテナでは3営業日あったフリータイムをゼロにし、保管料が即日発生するようになりました。 こうした変更は日中航路だけでなく他の基幹航路でも広がっています。 基幹航路のドライコンテナではオーシャンネットワークでは6営業日ですが、マースクは土日含む8日、CMA-CGMは土日含む7日となっています。 それぞれ起算日はマースクは着岸当日、ONEとCMAは着岸翌日からとフリータイムの運用を厳格化し、今まで個別に対応していたフリータイムの延長を認めない傾向が強くなってきています。 中国発コンテナ運賃急落。電力不足による出荷遅延が原因か 中国発のコンテナ運賃が9月末に急落しました。 北米西岸向けのスポット運賃はこれまで40フィートあたり1万5,000ドル前後でしたが、9月末に8m000ドルから9,000ドルまで下落しました。 これは中国の電力不足の影響で国慶節前に生産が終わらず多くの中国荷主がBookingをキャンセル。スペースに空きが出たためフォワーダーがスペースを投げ売りした事が原因とみられています。 半年ぶりの運賃下落は市場に大きな衝撃として捉えられていますが、中国の工場出荷の遅れが原因による一時的なスペース余剰のため、出荷再開後の市場回復の可能性も指摘されています。 上海港、寧波港の沖待ち154隻 中国の上海港や寧波港で、入港待ちしているコンテナ船の数が急増しています。 アメリカン・シッパー電子版によれば、9月末時点で両港の沖待ちは154隻。中国全土では沖待ちコンテナ船が242隻など、港の混雑状況は悪化しているようです。 中国の沖待ち船が増えたのは、港湾労働者にコロナ患者が発生し、それに伴いターミナルが閉鎖され、また相次ぐ台風発生により本船スケジュールの遅延が出たことが理由です。 その他の原因として、中国~北米航路に新規投入船が増え、船の小型化が進んだため効率が悪くなり混雑の悪化を招いたとの指摘もあります。 スポット運賃高騰で既存船社以外に新興船社が小型船をチャーターし新規サービスを始めたことが大きいようです。 コンテナ運賃、北米東岸向け1万1,000ドルを割り込む 中国・上海発北米東岸向けコンテナ運賃は10月15日付けで40フィートが1万700ドルとなり、2ヶ月ぶりに1万1,000ドルを下回りました。 これは10月から3週連続の値下がりで、10月始めから1,200ドル以上も下落しました。北米西岸も6,219ドルと6月上旬以来の値下がりとなりました。 北米以外では一進一退ではありますが下落傾向がみられ、15日付けで北欧州向けが20フィート7,687ドルで前週比27ドル減。地中海向けは7,374ドルで前週比74ドル減となっています。 上海港のコンテナ取扱量 通年過去最多の4,500万TEUを視野に 世界最大のコンテナ港である上海港では1-9月累計で前年同比10%増の3,479万TEUとなり、このままいけば通年の取扱量は過去最多となる4,500万TEUを突破する見込みです。 2019年まで上海港の取扱量は月間平均で360万TEU。 コロナ禍以降は20年2月に230万TEUと記録的な落ち込みからその後急伸。20年10月以降は初めて400万TEUを超え、21年は勢いは衰えず400万TEUを超えたのは1月、6月、8月。 8月は過去最高の432万TEUを記録しました。 邦船大手、チャーター船から自社船保有へ 邦船大手オペレーターは運航船を用船から自社保有へ傾向を強めています。 海上運賃高騰により得た資金を自社船のアセット保有に向けているようです。 各船社の財務体質が大きく改善していることで、船主から無理に用船する必要性が低下しているとのことです。 また重点整備するLNG焚きの自動車船や大型バルカーの船舶管理の外部委託が難しいことも自社船保有をすすめる要因です。 中長期用船に比べると、自社保有船はマーケットの変化にも対応しやすいという側面もあるようです。 コカ・コーラ コンテナ不足によりバルカー船で原材料輸送 米コカ・コーラはバルカー船3隻で飲料製品の原材料6万トン強を海上輸送することに決定しました。 これまで輸送していたコンテナ船はスペース逼迫により代替手段としてバルカー船による輸送を選択しました。これはコンテナ2,800TEUに相当する原料です。 コカ・コーラ調達担当のディレクターは「現在の海上貨物危機によりコンテナやスペース確保出来ない中、それ以外の方法を考えなければならなかった」と経緯を説明しました。 解説コーナー それでは、今回のニュースの解説のコーナーです。 冒頭にお伝えした日中航路での中国船会社によるリーファーコンテナのフリータイムゼロは実務でかなり影響してくる内容です。 これにより日本向けのリーファーコンテナは中国船社以外が選ばれる可能性が高くなります。そのため本船スペース予約が偏り、更なるスペース不足、海上運賃の高騰につながる可能性があるでしょう。 また中国の電力不足によって国慶節前後において海上運賃が急落したのも驚きのニュースでした。実務をしている立場からしても、一時的にですが急にスペースが取りやすくなったのでかなり驚いたのを覚えています。 この件の中国電力不足からのサプライチェーンへの影響に関する詳しい解説は別の動画にてお話ししていますので、概要欄にリンクを貼っておきます。 中国電力不足による海運市況への考察 そして10月から北米向けの海上運賃には頭打ち感が見えています。以前はいつまで高騰が続くのか、上がり続ける運賃に不安でしたが、やっと天井が見えた気がします。 とはいえ引き続き高い運賃水準であることは変わりません。年末に向けて更にスペースタイト、運賃の若干の上昇はあるかもしれません。 上海港でのコンテナの取扱量が過去最高になっているニュースですが、世界中で、特に北米での経済活動の回復が大きく影響しています。 単に北米西岸や内陸でコロナによる物流の目詰まりが発生していただけでなく、過去最高レベルでの出荷量の増加になっていました。この物流の目詰まりの解消にはコロナだけでなく、北米の経済についても注目が必要かと思います。 2021年は船会社が過去最高益を叩き出し、利益をアセットに投資する姿勢が注目です。 邦船3社のこれまでの用船率は6割強と自社船の保有率を抑えるノンアセット戦略が主流でしたが、用船マーケットの変化に対応しやすくするように、また脱炭素への取り組みとしてLNG燃料のコンテナ船などに投資をしています。 船会社の自社船率が上がることにより、私としても海上運賃の安定を期待しています。 最後にコカ・コーラが原材料をバルク船で輸送していたのが注目でした。北米向けのコンテナ船のスペース不足、海上運賃高騰により大手荷主はバルカー船をチャーターして運ぶ動きが最近では多くみられます。 私が知る限りで、ウォルマート、ターゲット、イケア、そして今回のコカ・コーラがチャーター船で輸送をしています。 ウォルマート、ターゲット、イケアはバルカー船でコンテナを輸送するという新しい輸送方法を実施しており、今後も運賃の高騰が続けば このようなバルカー船チャーターの需要は上がっていくと思います。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。国際物流やサプライチェーンの「今」が分かったのではないかと思います。 今回参考にしたニュースのソースは概要欄にリンクを張っておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。 現場からは以上でーす!ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2022年3月期、ONE税引後利益 1.3兆円! その理由を解説。 | 物流ニュース・物流ラジオ

2022年3月期、ONE税引後利益 1.3兆円! その理由を解説。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、海事新聞に「ONE、税引き後利益1.3兆円」というニュースがあったのでそれについてお話していきたいと思います。 2021年11月1日イーノさんの物流ラジオ ONE、四半期利益過去最高を記録 海事新聞によると、ONEの2021年4―9月期決算で、税引き後利益が前年同期比約10倍の約7,600億円となったと報道しています。 四半期の利益としては過去最高とのことです。 利益急増の要因 理由としては、市場での荷動きが増加し、2021年4―9月期の積み高はONEで10%増となったこと。また、現在もサプライチェーンの混乱継続で需給が逼迫しており、運賃市況は高止まりしてることが挙げられます。 燃料費が前年同期比に比べて、48%も高騰していますが、これらのコストはコンテナ運賃上昇で全て吸収できているそうです。 これにより、2022年3月期通期、税引き後利益は約1兆3,300億円を見込んでいるとのことです。 今後の見通し 商船三井の執行役員は、コンテナ運賃の上昇について、「長期契約の部分もあるが、大半は短期(スポット)運賃の値上がりから来ている」と発言しています。 また、商船三井取締役常務執行役員は、今後の見通しについては、「来年2月の中国旧正月休みまではこの状況が続くのではないか」と予想しています。 現在の市況はいつまで続くのか とはいえ、去年の11月にも今年の旧正月ごろまで続くと言われていました。 しかし、スエズ運河が座礁により封鎖され、北米の内陸、鉄道で目詰まりが発生しました。その後、北米で景気回復していき、北米では沖待ちが深刻化し、今に至っています。 市況がどうなるのかは全くわからず、来年いっぱいまで続くという意見もあります。 ONEの利益の投資先は とはいえ、1.3兆円の利益をどう使っていくかが注目です。 内部留保に大きく投資するというよりは、脱炭素への投資へ向かうのではないかと、ある程度想像ができます。 日経新聞の音声配信では、頻繁に脱炭素のニュースが報道され、世の中がそういう動きで進んでいます。 今はスポット的に運賃が高騰していますが、次第に落ち着いていくでしょう。しかし、コロナ前のような低価格運賃にならないように注意が必要です。 競争は大切ではありますが、マーケットが潰れるのは問題です。 行き過ぎた値下げ合戦にならないように取り組みを行っていくのではと個人的に考えています。 ONE、税引後利益 1.3兆円を見込むという刺激的なニュースをご紹介しました。

LA港、11月1日からコンテナ滞留超過料金徴収へ | 物流ニュース・物流ラジオ

LA港、11月1日からコンテナ滞留超過料金徴収へ

どうもこんにちは、飯野です。 今日の海事新聞で「北米西岸のLA港で11月1日から、滞留コンテナに対して荷主に超過料金を請求する」というニュースがあったので、これについて話をしていきたいと思います。 ロサンゼルス(LA)・ロングビーチ(LB)港の港湾管理者は、11月1日から、一定期間ターミナル内に滞留したコンテナに対して、超過料金を請求すると発表しました。 2021年10月29日イーノさんの物流ラジオ コンテナ滞留、荷主へ超過料金徴収 対象となるのは、コンテナ貨物の荷主です。 船社やターミナルではなく、港湾管理者が超過料金を徴収するのは過去に例がないことです。 港湾管理者とは誰のことかわかりにくく、ターミナルオペレーターではないかと思いましたが、分かり次第情報をアップデートいたします。 発生するケース この超過料金はデマレージとは別ということですが、どういうケースで発生するかというと 本船から積み下ろされて、トラックで搬出予定のコンテナは、積み下ろされてから9日以上ターミナル内に滞留した場合、また、鉄道の場合には、6日以上に滞留した場合に対象となるとのことです。 超過料金の金額と計算方法は、 -トラックがコンテナを9日目に搬出した場合は100ドル -それが1日延長するごとに100ドル上乗せ 例えば搬出が 9日目:100ドル 10日目:200ドルと9日目の100ドルを加えた300ドル 11日目:600ドル となり、3日オーバーだけで、600ドル徴収されることになります。 トラックドライバー不足問題 トラック不足も影響しているので、そんなに簡単に取り出せるのか、という疑問も出てきます。 アメリカでは、トラックの確保合戦になるのではないでしょうか。 現在、ただでさえ北米のドライバーの賃金が急激に上昇していますが、これにより更に運賃アップにつながるのではないかと思います。 各方面での混乱への対応 この混乱を解消するために、バイデン政権は組合や大手荷主(ウォルマート、ターゲットなど)にも協力を要請し、LA港での24時間7日間休みなし稼働に向けた取り組みを後押ししています。 24時間稼働により、1週間に取り出せる量のコンテナ増は約3,500本となります。 更に、米鉄道大手ユニオンパシフィック鉄道は、10月25日から、新たなパイロットプログラムを導入すると発表しました。 どういう内容かというと、米国西岸ロングビーチ(LB)港近郊の鉄道ターミナルへ、土日に搬入するコンテナに対し、1本当たり60ドルの払い戻しを実施するということです。 土日の利用を増やし、混雑の緩和を狙っており、各荷主は還付金を受けることができます。 北米西岸では混雑解消の為に、現在このような対策がとられています。 時間が経てばだんだん緩和はされていくでしょうが、引き続き情報をアップデートしていきたいと思います。

日本の海運、2050年にGHG排出実質ゼロ目指す。投資金額は年間100隻、1兆円。 | 物流ニュース・物流ラジオ

日本の海運、2050年にGHG排出実質ゼロ目指す。投資金額は年間100隻、1兆円。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は日本船主協会が「2050年にGHG実質ゼロに挑戦、2025年以降毎年100隻代替し、年間1兆円投資を考えている」というキャッチーなニュースを紹介したいと思います。 2021年10月28日イーノさんの物流ラジオ 日本の海運業でGHG排出実質ゼロへ 日本船主協会は戦後すぐ、1947年に設立されました。 海運業に関する諸々の調査および研究を行い、海運業の公正かつ自由な事業活動を促進し、日本海運の健全な発展することを目的とする団体です。 その日本船主協会の会長さんが、海運業で2050年にGHG排出の実質ゼロを目指すと発表しました。 実際の脱炭素の動きとして、IMO(国際海事機関)はGHG削減戦略を 2030年までに2008年比で40%削減 2050年までに50%削減 今世紀中にゼロ とし、2050年にGHG排出の実質ゼロを目指すというかなり野心的な目標を掲げています。 日本での脱炭素へ向けての動き 日本に現在、商船は約2,240隻あります。 注目なのは、この目標を達成するために、段階的に新燃料などに対応したゼロエミッション船に代替建造していく必要あるとしている点です。 2025年以降の投資規模については「毎年年平均100隻、約1兆円に上る」と試算し、大規模投資となることから「海運単独では難しい」ので、関係業界への協力を求めています。 毎年100隻で1兆円というと、1隻あたり100億円になります。 この目標達成のためには燃料に、カーボンリサイクルのメタン(Co2から作ったメタン)、水素、アンモニアなどを使用しないと、温室効果ガス実質ゼロは難しいです。 そういった燃料の前にLNG(液化天然ガス)など低炭素燃料が導入されていきます。 アンモニアと水素はそれを燃焼するエンジンの技術がまだ開発中です。 2050年へ向けての目標 2050年までの25年間での全体の投資額は20兆から30兆円に上るとのことです。どれだけ実現可能か分からないですが、凄い目標と投資金額だと思います。 1隻100億円だと全部スクラップにして一から建造するのではと感じました。 素人考えでは、エンジン、燃料タンクと周辺を変えると考えていましたが、この金額だと、一からの建造ではないのかと思われます。 この目標に向け、アンモニア、水素燃料のエンジン開発がより進んでいくようになります。 実際に最近はアンモニア燃料エンジンの開発のニュースをよく見るようになりました。 海運業界の脱炭素の動きは注目だと思いますので、随時発信していきます。

B/Lの裏書きについて | 貿易書類と手続き

B/Lの裏書きについて

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今日は海上貨物輸送において行われる「B/Lの裏書き」について説明します。 B/Lの裏書きとは何のことでしょうか?それはB/Lの裏に書く署名のことです。 弊社でも輸入側で実際に貨物を引き取ろうとしたときに、B/Lの裏に何も書かれておらず、慌ててB/Lの裏書きを手配することがあります。 今日はB/Lの裏書について、どのような時に裏書が必要か、誰の裏書が必要かなどについて詳しく解説をしていきます。 それではいってみましょう。 B/L=有価証券 まずB/Lとは船荷証券で、有価証券であるという事をご理解ください。 輸出者から輸入者へ貨物が輸送され、配達されるまでには船や飛行機で輸送されていきますが、その貨物の持ち主であると証明する書類がB/Lです。 そのB/Lは裏書きという署名をして輸出者から輸入者へ持ち主である権利が移ることになっています。 また輸入者がB/Lに裏書きをすることで、フォワーダーが輸入者の代理人として貨物を引き取ることができます。 それでは、B/Lの裏書きはどのようなものなのか。詳しく見ていきましょう。 B/Lの裏書きとは B/Lは表面にシッパーやコンサイニーや貨物内容が記載されます。裏側は薄いグレー等の細かい活字がびっしり書いてあります。 そこには約款というB/Lを発行している船会社などとの運送契約が書かれています。 その約款の上に会社の社印を押し、その会社の方がサインをします。この会社名とサインが裏書きと言われるものです。 B/Lの裏の隅や印刷されていないほんの少しの余白のところに裏書きされているのを何度か見たことがありますが、約款の上にかかるように書いて問題ありません。 また、その約款が読めるように斜めに書くのが通常です。 誰の裏書きが必要か 裏書きがどんなものか分かったところで、次に誰の裏書きが必要かについて説明していきます。 まずここが注意です。B/Lの記載によって誰の裏書きが必要かが変わります。 B/Lには輸出者と輸入者の記載があります。 輸入者の名前や住所が記載されているものを記名式B/L(STRAIGHT B/L)といいます。 反対に輸入者の欄にTo orderやTo order Shipper などと具体的な名前が記載されていないものが指図式B/L (ORDER B/L)です。 この記名式B/Lと指図式B/Lでは裏書きを書く人が違ってきます。 記名式B/Lの場合 記名式B/Lでは輸出者、輸入者の名前が記載されています。 記名式B/Lが発行された場合は輸出者から輸入者へ直接B/Lが送られることが一般的です。 荷物が輸入地へ到着すれば、必然的に所有権は輸入者に移るため、輸出者のB/Lの裏書きは省略できるのです。 そして輸入者は貨物を引き取るときの証明として、B/Lの裏書きをします。 指図式B/Lの場合 一方で指図式B/Lでは輸入者の欄にTo orderやTo order of 〇〇(第三者)と書かれており、一見すると誰が輸入者か分かりません。 To Orderの指示者がB/Lの所有者を指示することで、次の所有者が誰かが分かるB/Lになっています。 この指図式B/Lの場合はConsignee欄にどう書かれているかが重要になってきます。 CongsigneeがTo orderまたはTo order of shipper であれば、まずはShipperの裏書きが必要です。 この場合は貨物の権利者であるShipperの次の権利者を指示する権利があるのですが、一般的にはShipperのサインだけを裏書きして、次の権利者を特定しない場合がほとんどです。 これをShipperの「白地裏書」と言います。 次に指図式B/Lには、To order of銀行や第三者の場合もあります。その場合は銀行や第三者の裏書きが必要です。銀行や第三者の裏書きさえあれば、Shipperのサインは必要ありません。 この場合は銀行や第三者が最終的な輸入者ではないでしょうから、銀行や第三者に加えて最終的な輸入者の裏書きが必要になります。 ここで注意点です。銀行や第三者は裏書きをするのですが、今までの裏書きに加えてもう一つ文言を付け加えます。 「To order of 実際の貨物の所有者、銀行や第三者の名前、サイン」となります。この裏書のことを「記名式裏書」と呼びます。 記名式裏書は、Consigneeに銀行や第三者が指定されている場合に行われ、その後最終的な輸入者の裏書きでB/Lの裏書が繋がることになります。 このB/Lの裏書きはL/C決済でよく行われるので覚えておきましょう。 WAYBILL、サレンダーB/Lの場合 これまでB/Lの裏書きについて説明しましたが、オリジナルB/Lがない状態であるWAYBILLやサレンダーB/Lについても補足しておきましょう。 原則的に言えば、WAYBILLは誰でも貨物が引き取れる状態ではあります。 ただ誰でも引き取れることが出来ないように船会社によっては、事前に輸入者の裏書きを登録しておいて、その裏書きがなければ引き取りの書類を渡さないようにしているところもあります。 またサレンダーでも同様で、B/Lは輸出地で回収するのですが輸入地でそのサレンダーB/Lのコピーに輸入者の裏書きをするように決めている会社もあります。 実務についてはB/Lを渡す時にフォワーダーに確認するようにした方が間違いありません。 まとめ 今回はB/Lの裏書きについて説明しました。 輸出者であれば、Consigneeが記名されていなければサインが必要です。そして輸入者であればどのB/Lでも裏書きが必要です。 オリジナルB/Lがあれば裏を確認し、サインが抜けていないかチェックすることでスムーズな輸出入の手配につながります。 今回は内容は以上になります。ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

実務の話。緊急の本船スペース確保についてのお願い。 | 物流ニュース・物流ラジオ

実務の話。緊急の本船スペース確保についてのお願い。

どうもこんにちは、飯野です。 今日は、緊急の本船スペース確保の話をしていきたいと思います。 ここ最近5件くらい、新規のお客さんやほとんど取引がないお客さん、または海外代理店さんから急なスペース確保の依頼ありました。 今週積み込みでなんとか、という急な依頼でした。 その件を踏まえながら、実務のお話をしていきたいと思います。 2021年10月27日イーノさんの物流ラジオ 慢性的なスペース不足 コロナ前なら割と対応はできていましたが、今のスペース不足の状態で一週間前だとかなり厳しいのが現実です。 他のフォワーダーさんが取れず、弊社に依頼を頂いていると思うので、頑張って対応をするようにはしています。 そんな中で、他のフォワーダーが取れた、スケジュールがちょっと遅い、海上運賃が高いなど、色々な理由があって取引に至らないケースがあります。 それはそれでビジネスなので、仕方がないとは思います。 でもこれが数回続くと、弊社としてもサービスを提供するのが難しくなってきます。 スペース確保の困難 他のフォワーダーさんがスペース取れない中、弊社も取りにくいのは変わりません。 そんな中、弊社も色んな船会社に聞き回ってスペースを取っています。 ポチッと簡単にスペースを取っているわけではなく、正直なところ、結構労力がかかっています。 既存のお客さんであれば、いつもお世話になっているので、もちろん全力で頑張らせていただきます。 新規のお客さんで必要なときにだけ依頼があり、スペース取れたけど、結果的にいらないと何度も言われるとかなりしんどいのが正直なところです。 サービス業として これは弊社だけではないと思います。 他の会社で営業マンによっては、そもそも対応をしない、または今回限りで次回以降はない、とかになると思います。 特に今のスペース不足・コンテナ不足で現場はかなり厳しい状況に置かれています。 フォワーダーなのだから、ちゃんとコントロールを、と思われるかもしれないですが、今のサプライチェーンの乱れは異常な事態です。 とはいえ、たまに緊急なケースがあるのは理解できます。もちろん、そこはサービス業として頑張って対応はさせていただきます。 でも状況が状況なので、お客様には十分な在庫をやっぱり持って欲しいと思います。 また、Bookingの予約は余裕を持ってお願いします。 お客様へのお願い 1−2回なら新規のお客さんでも、キャンセルなっても仕方がない面はあります。 けれど、必要なときだけ依頼し、結果やっぱりいりません、というやり方だと、対応してくれるところは少なくなってくると思います。 どちらのポジションが強いとかの話ではなく、商売として、お取引関係として、そしてそれは、人間関係にもつながってくる問題だと個人的には思います。 まとめ 特に年末に向けてスペースは確実により少なくなってきます。 今年ほどではないかもしれませんが、来年以降もスペース不足はある程度続くとみられています。 コロナ前のようなスペースがガラガラということはないので、余裕を持ったサプライチェーン・マネジメントをお願いします。 また、業者との関係も良好に、と。今回は以上です。 ありがとうございました。

LA港・LB港の沖待ち悪化で LA港平均待機日数 21.5日!中国でも「過去20年で最悪」状態 | 物流ニュース・物流ラジオ

LA港・LB港の沖待ち悪化で LA港平均待機日数 21.5日!中国でも「過去20年で最悪」状態

どうもこんにちは、飯野です。 今日はLA・LB港湾の混雑は全く改善せず、またアジアも深刻で、「過去20年で最悪」というニュースがありましたので、それについてお話していきたいと思います。 2021年10月26日イーノさんの物流ラジオ LA港、LB港で沖待ち悪化 10月22日時点、LA港、LB港の入港待ちコンテナ船は76隻もあります。以前から全く改善が見られない状態です。 船社関係者によると、「船が北米から戻れずスケジュールはガタガタ。もはや定曜日サービスを維持できない」とのことです。 中国各港でも沖待ちは常態化しており、「過去20年で最悪の状況」との声が強まっています。 現在の平均待機日数 LA港:21.5日 LB港:11日 上海からLA港までの航海日数は約12日なので、これがどれほど長いかわかるかと思います。 改善の兆しは? 米バイデン大統領はLA港の24時間稼働を関係者に協力を求めているものの、現時点では改善効果は見えてきていません。 また、以前のニュースで、ウォルマート、ターゲット、Fedexなど大手荷主も引き取りを24時間体制で協力し、それにより3,500個/週を多く取り出せると発表があったとお伝えしましたが、全く足りてないのが現状です。 中国でも過去20年で最悪の状態 中国の上海港、寧波港、塩田港、また香港でも平均2−3日の入港待ちが発生しており、今は全くスケジュール通りには進んでいません。   これはコロナ感染により、港湾の作業員不足でコンテナの目詰まりが港で発生してしまったことが一因です。 一度発生してしまった目詰まりは、やはりそう簡単には解消されません。 港の自動化 マースクのグループ会社の港湾部門APMターミナルズが中国の港湾荷役機器メーカー最大手の会社と、アライアンスの覚書を締結したと発表がありました。 これは、コンテナ荷役機器の自動化を含む、自動化ソリューションを共同開発することが狙いです。 両社は既に23年に及ぶ取引関係があり、APMターミナルズ(マーススクのグループ会社)はイタリア・メキシコ・モロッコなどのターミナルで導入実績があります。 デンマーク・オーフス港では先日、自動ストラドルキャリアの実証実験を開始したと発表しています。 2022年7月、北米西岸の労働協約失効により交渉がスタートしますが、そこで、港の自動化がテーマになり、労働者の間で一悶着起こりそうです。 とはいえ、マースクのグループ会社の例もあり、港の自動化は進んでいきます。 将来的にはよりスムーズなサプライチェーンになるのではないかと期待をしています。

Freight Prepaid, Freight Collectの違いについて(改訂版) | 貿易書類と手続き

Freight Prepaid, Freight Collectの違いについて(改訂版)

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。 今回は国際輸送におけるFreight PrepaidとFreight Collectの違いについてです。以前にも同じ内容の動画を制作しましたが、別の表現でより分かりやすく解説をしていきたいと思います。 それではいってみましょう。 Freight Prepaid と Collect の違い このFreight PrepaidとFreight Collectは貿易実務において非常に重要です。 貿易の仕事を始めたばかりの人はこの用語がB/LやAWBに記載をされていて、これは一体どういう意味なのか?と思うことがあるかもしれません。 またフォワーダーの立場だと、船会社や積み地側・揚げ地側フォワーダーとのコミュニケーションで頻繁に使う貿易用語の一つでもあります。 なぜこの用語が重要なのでしょうか?それはお金に関することだからです。 この貿易用語は英語から日本語に翻訳すると理解しやすいと思います。 まずFreight。これは運賃のことです。海上運賃をOcean Freight, 航空運賃をAir Freightと言います。 そしてPrepaid。これは先に支払うという意味ですね。 そしてCollect。これは直訳すれば回収ですよね。 この3つの単語から Freight Prepaidは運賃を先に支払うこと Freight Collectは運賃を回収すること というのが理解できるでしょう。 インコタームズとの関係性 このFreight PrepaidやCollectはインコタームズとも関係があります。 インコタームズは貿易の取引条件のことで、誰が、どこからどこまでの輸送費用を支払うのかを明確にするものでした。 なので、 先に支払うFreight Prepaidは運賃を輸出側で支払うこと 回収するFreight Collectは運賃を輸入側で回収/支払うこと になります。 一覧を見てみると分かりやすいと思います。 Freight Collectは輸入者が海上運賃を負担するEWXやFOBです。 そして、Freight Prepaidは輸出者が海上運賃を負担するCFR, CIF, DAP, DDPなどとなります。 インコタームズの解説については動画の説明欄にリンクを貼っておきますのでそちらをご覧ください。理解がより深まると思います。 インコタームズ 4グループ(E・F・C・D)について House B/LとMaster B/L における記載 そしてこのFreight PrepaidやCollectはB/Lに記載されると先ほどお伝えしましたが、House B/LとMaster B/Lの両方にも記載されることになります。 House B/LとMaster B/Lを解説した動画のリンクも貼っておきますのでご確認下さい。 House B/LとMaster B/Lの違いについて House B/LとMaster B/LのFreight PrepaidとCollectについてですが、ちょっと理解が難しいかもしれません。これから例をあげながらお伝えしていきます。 まずインコタームズはFOBとCFRで例をあげましょう。 FOBでは輸入者が海上運賃を支払います。 その時に一般的にはMaster B/LではFreight Collect、そしてHouse B/LでもFreight Collectと記載されます。 そして輸出者が海上運賃を支払うCFRの場合、一般的にはMaster B/LではFreight Prepaid、House B/LにもFreight Prepaidと記載されます。 ここまでは問題ないと思います。 House B/LとMaster B/L において記載が違うケース しかし、Master B/LとHouse B/LのFreightが異なるケースがあります。例えば、MasterがPrepaid, HouseがCollectという感じです。 これはどういうケースで発生するのでしょうか?例をあげながら解説していきます。 Master B/LとHouse B/Lの2種類のB/Lが出てきますので、これはフォワーダーを介した取引になります。 フォワーダーは輸出側と輸入側に分かれて、共に協力をして貨物の輸送手配をして、「代金の支払いと回収」もします。ここがポイントです。 もう一度House B/LのFreight PrepaidとCollectについてお話しします。 EXW, FOBなら輸入者が運賃を支払うのでFreight Collect CFR, DDPなどなら輸出者が運賃を支払うのでFreight Prepaid となります。 そして次にMaster B/LでのFreight PrepaidとCollectについてです。これは輸出側と輸入側のどちらのフォワーダーが主体で船を手配するかが関係します。 これから輸出側のフォワーダーをA社、輸入側のフォワーダーをB社として説明をすすめていきましょう。 輸出側のフォワーダーA社が船会社(輸出側)にA社主体でBooking手配をすると、輸出側で運賃を支払うことになりますので、Master B/LはFreight Prepaidとなります。 一方で、輸入側のフォワーダーBが船会社(輸入側)にB社主体でBookingをすると、輸入側で運賃を支払うことになりますので、Master B/LはFreight Collectとなります。 ここまでの理解は大丈夫でしょうか?この条件を踏まえて実務でよくあるケースを説明します。 実際のケース 輸入側で取引が進められ、実際のShipper(輸出者)とConsignee(輸入者)の取引はFOBでHouse B/LはFreight Collectとなります。しかし輸入側のフォワーダーB社が船のスペースを取れないケースがあります。 この時に輸出側のフォワーダーA社が主体となって本船スペースを取り、輸入側のフォワーダーB社に協力するケースがあります。 輸出側が主体で船会社にBookingをしているのでMaster B/LはFreight Prepaidとなります。 このような場合にHouseはCollectだけれども、MasterはPrepaidというようになります。 実際にフォワーダー同士での取引でこのようなことは頻繁にあります。 例えば弊社でもインドや日本のフォワーダーから、タイからの輸出でインド・日本への本船スペース確保の問い合わせが多く、輸出側のフォワーダーである弊社主体でBookingをするのでMaster B/LはFreight Prepaidとなります。 そして先ほどご説明したように、このような海外からの問い合わせの場合、実際のShipper(輸出者)とConsignee(輸入者)の取引でのインコタームズはFOB (House B/L - Freight Collect)で、輸入者であるConsigneeが運賃を支払うケースが多いです。 Prepaidにおける信用問題 ここで問題なのは、輸出側のフォワーダーAは船会社にPrepaidで先に運賃を支払います。 そして実際の運賃は輸入者が輸入側のフォワーダーBに支払うので、その運賃がフォワーダーBからフォワーダーAにちゃんと送金されるか信用の問題になるのです。 初めて取引をする海外フォワーダーとの場合、ここの与信・代金回収がかなり重要なポイントとなります。 まとめ 今回ご説明したFreight Prepaid, Collectはお金に関することなので非常に重要な貿易用語です。 もしこの用語をしっかりと理解できていなければ、誰が運賃を支払うのかが良く分からないまま仕事を進めることになり、代金の回収リスクが常にあります。 この動画の内容を理解できるまで何度も見直して頂ければと思います。 もしこの動画の内容が参考になった、面白かったという場合はチャンネル登録やSNSでのシェアをして頂けるとこれから更新していく励みになりますので、是非ともよろしくお願い致します。 今回の内容は以上になります。ありがとうございました!

CO2の分離・回収・貯留について解説しました。CCS, CCUSについて。 | 物流ニュース・物流ラジオ

CO2の分離・回収・貯留について解説しました。CCS, CCUSについて。

どうもこんにちは飯野です。 今日は、CO2の回収についてお話していきたいと思います。 海事新聞で「川崎汽船・三菱造船・日本海事協会が船上CO2回収に世界で初めて成功」という記事があったので、これについて考察を交えて話していきたいと思います。 2021年10月25日イーノさんの物流ラジオ 海上でのCO2回収 陸上でのCO2回収はすでに設備等ができていますが、海上でCO2を回収したのは世界初です。 10月20日に、川崎汽船と三菱造船は日本海事協会(NK)と共同で、船上でのCO2(二酸化炭素)分離・回収の実証試験に成功したと発表しました。 石炭船に小型デモプラントを搭載しましたが、このデモプラントは陸上プラント用を洋上向けに転用したものです。 これのエンジンの排ガスから純度99・9%のCO2を分離・回収し、今後、商用実機に向けた課題整理と研究開発に力を入れていくとのことです。 CCUSとCCS 脱炭素ということで、CO2を出さないことに注目されてきましたが、実際は回収し、保存されていたんですね。 環境省では現在、二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS: Carbon dioxide Capture,Utilization and Storage)に力を入れています。 1992年、アムステルダムで開催された第1回CO2回収に関する国際会議において、既にCO2回収の動きはありました。 2005年以降、CCS(CO2の回収・貯留)(Carbon dioxide Capture and Storage)技術が現実味を帯びていきます。 分離・回収のやり方 CO2は水に溶けるので、特殊な液体に入れて加熱して分離・回収する方法、また、最近では固体吸収剤に閉じ込める方法も出てきています。 三菱重工がCO2の分離・回収設備で有名で、世界14カ所で回収装置を設置、7割超のシェアを占めています。 貯蔵のやりかた S(Storage)はどこに貯留するのかというと、現在は地中に入れています。 回収したCO2をパイプラインなどで輸送し、圧縮して地下の貯留層にとじ込めるのが一般的です。 石油や地下水を長期間封じ込めていたような安定した地層ならば、CO2の隔離も長期間可能なはずだという考え方があります。 けれど、貯留場所にも限りがあり、現在のCO2排出量だと世界で65年以上~100年分のCO2の貯留可能と言われています。 日本だと北海道の苫小牧にCO2の回収と滞留の施設があります。 CO2の液体化 他にはCO2を液化して海上輸送する方法もあります。 CO2を回収、貯留地までパイプで送って、圧入するにはCO2、1トン当たり30USDほどかかります。 また、先ほど話したように貯留する地域(地層)は限られています。 回収地点から貯留地までの距離が大きく離れる場合は、パイプラインより海上輸送の方がコストが低くなることもあるんですね。 液化CO2船への注目 液化CO2船は世界で5隻しかありません。全てノルウェーの海運会社ラルビック・シッピングが船舶管理しています。 もともと飲料ガスなど向けに運航されていたものですが、最近では、CCUS・CCSの事業化が進む中で世界的に注目が集まっています。 商船三井はラルビックに出資し、液化CO2輸送事業に参入し、国内でも液化CO2船の開発を進めています。 コストの問題 CO2の回収地点から貯留地までの距離が100~200キロメートル程度離れると、海上輸送のコストはパイプラインを下回り、安くなります。 世界のCCSの平均コストはCO2を1トンあたり、地中まで入れるまでに80USDから100USD程度かかります。 その内訳として60USDからUSD程度は分離・回収工程が占め、この工程のコストダウンが急務とされております。これに関しては、世界中で国をあげて取り組んでおり、日本は環境省が行っています。 分離・回収も技術を進めてコストダウンを進めていて、日本では今、2050年までに1トン当たり10USDを目指しています。 CO2の有効活用 CO2の有効活用も(CCUS)も重要です。 近年では、技術も発展したため、CCS(回収・貯蔵)だけでなく、有効活用していこうという動きがあります。 活用法としては、ビニールハウスで植物・野菜にCO2をあげたり、基礎化学品(メタン、メタノール、オレフィンなど)への変換などがあります。 メタノールは船舶燃料としても注目されていて、大手船会社Measkも注目し、メタノール焚きの船を作っています。 CO2削減への動き EUは2030年のCO2排出削減量を従来の1990年比40%減から更に55%減に引き上げる法律を承認しました。 今後、CO2の削減が一層強まっていきます。 目標を達成するため、企業やベンチャーキャピタルなどの投資家は、CCUSを手掛ける企業への出資や提携に乗り出していて、2021年のCCUS企業の資金調達額は前年比3倍、11億ドルに達する見通しです。 脱炭素について、現在回収・貯留が行われていますが、留めておくところにも限界があります。 最初から出さないことももちろんですが、冒頭で申し上げたように、海上での回収にも成功したので、今後は回収についても注目だと思います。

フォワーダーを選ぶ理由!フォワーダーには得意・不得意があります。 | 物流ニュース・物流ラジオ

フォワーダーを選ぶ理由!フォワーダーには得意・不得意があります。

どうもこんにちは、飯野です。 今日はフォワーダーの得意と不得意というテーマでお話をしていきたいと思います。 最近はおかげ様で日本や海外からいろんなお問い合わせをいただいております。ありがとうございます。 タイに来て8年、物流をずっとやっており、タイに関する国際物流に関しては自負があります。とはいえ、フォワーダーには得意・不得意があります。 2021年10月21日イーノさんの物流ラジオ 物流の仕事 物流にはいろんな貨物の種類、輸送手段があります。 ざっくりお話しすると輸送だと、海上、航空、陸送、鉄道輸送があり、その中で海上輸送を細かく分けると、ドライコンテナ、リーファーコンテナ、オープントップコンテナ、フラットラックなどがあります。 また、貨物内容でいうと、普通品、重量物、危険品、食料品や化粧品があります。 中でも重量物は取り扱いが難しく、危険品はクラスが1から9まで分かれており、さらに食品や化粧品などは他法令が絡んできます。 石炭やスクラップなどカサの大きい貨物にはバラ積み船を手配し、車の輸送にはRORO船を手配しなければいけません。 また、送り先の各国の代理店との協力も必要不可欠です。 幅広い業務への対応 そこに、通関、倉庫、梱包などが加わり、かなり幅広い業務で、それに対する幅広い知識が必要となります。 国によって違うローカルルールへの対応もあります。なので、知識と経験は非常に重要だと思います。 取扱量の違い また、得意・不得意の中には取扱量も関連してきます。 特定の地域に大量に定期的に貨物を出している場合は、ボリュームディスカウントをしてもらえますが、あまり出したことない地域だと定価となってしまいます。 弊社の場合、アジア、インド、メキシコなどは定期的に対応していますが、アフリカのガーナやエチオピアなどはたまにスポットでいただくので、値段はそれほど安くご提供はできません。 特化している中小企業 中小の場合、幅広く扱っている会社ももちろんあり、大体のことは対応可能だと思います。 それでも、中には特化している会社もあります。 弊社の日本の代理店であるジャパントラストさんは北米向けのオーバーゲージに特化しています。フォワーダーの北米向けランキングでは世界で6位にランキングしているほどです。 フォワーダーは自社の得意を活かし、不得意はパートナーと補っていくことがいいのではないかと個人的には考えています。 タイの物流がありましたら、是非イーノさんへお問い合わせください。