2021.04.01
2021年 コンテナ不足の問題は “いつ解消する”のか?各国のコロナ感染者数から考察してみた。
先日、お客さんとの何気ない会話で質問されました。 このコンテナ不足が原因で海上運賃が上昇する、スペースが取りにくいという状態が続いているので、お客さんにとっても注目せざるを得ないこの問題。 私も少し前にメディア関係者さんに聞かれたときや、YouTubeでは とぼんやりとした回答をしていました。YouTubeでは「これが分かれば苦労しない」ともいっていますが、今でも同じ気持ちです。 このコンテナ不足の問題はいつ解消するのか?本当に分からない。でも多くの人は答えを求めている感じがする。 なので現時点での私の考察をツラツラと書いていきたいと思います。 コンテナ不足とコロナ感染者数 こちらの動画でも詳しく解説をしましたが、現在発生しているコンテナ不足の主な原因はコロナです。 コロナが収まらない限りは、港の港湾労働者、ドライバー、製造業の人たちのマンパワーが落ちてしまうので、コンテナが流れていきません。なのでコロナの新規感染者数を見ながら考えていきたいと思います。 コロナが割と落ち着いている地域 現在、私はタイに住んでいます。タイでも毎日感染者数が発表されるのですが、数十人という感じ。100人単位で出ることはたまにあるんですが、それが出た時点で締め付けが厳しくなります。 タイではコロナがかなり抑制できている方だから、自分の勝手な感覚で「他の国もよくなってきてるんじゃないの?」と思っていました。今回の記事を書くまでは。。 イーノから見た日本のコロナの状況 また同時に日本のニュースも毎日聞いているのですが、最近だと東京で300人とか、大阪が東京より上回ったという感じですよね。 とはいえ、日本ではワクチン接種が医療関係者に3月から始まって、一般の人たちには5月前後で接種できるみたいなニュースを聞きます。 感染がこれくらいの数でワクチンの入手も海外からちゃんと出来ている感じだし、オリンピックもやることだし、なんとなくコロナは収束に向っているのかな?なんて気もしたりしました。 アメリカはどうだろう? アメリカでは過去に死者が1日で1,000人を超える時があったり、とんでもない状況になっていると思っていました。 しかしファイザーワクチンがいち早く市場に出て、さらにバイデン大統領もワクチン流通を積極的に後押ししています。 ニュースで聞いていたのは4月末にディズニーワールドが再オープンするという感じで、状況は良くなっていっているのだなと思っていました。 データを見る限りでも 依然として多いですが、状況は改善しているのかと思います。 それ以外の地域では? これまでのデータだけを見る限りでは、当初に思っていたような今年の6月末くらいにはコンテナ不足が解消するかもという見立ては割と良い線をいっているような気がします。 しかし、他の地域のデータを見る限りでは、6月末は無理かも。。と思わざるを得ません。 イタリアのコロナ感染者数 3月15日に3度目のロックダウンをするというニュースを聞いて、まだそんな感じなの?と驚いていました。 また、たまたまですが1週間前にイタリアのフォワーダーさんと話をする機会もあり「どうなの?」と聞いたら、飲食店はやってたりするとのこと。 会社に行って仕事しているらしく、そこまでヤバいという印象は受けませんでした。 フランスのコロナ感染者数 3月20日に3度目のロックダウンが始まったとニュースで聞きました。またデータを見る限りでも増加傾向にあるのが見えます。 イギリスのコロナ感染者数 イギリスは昨年の夏くらいから港がヤバい状態になっていました。コンテナが港に滞留しまくって、船会社もイギリス向けのBookingは拒否をするくらいの状況でした。 データを見る限りでは減少傾向にあります。アメリカと同じで自国でワクチンを開発、流通できるというのは、やはり効果的なのでしょうか。 ブラジルのコロナ感染者数 2021年1月17日にワクチン接種開始。「1月22日までに10万人がワクチン接種した」と調べたら書いてありましたが、接種より感染の方が多いです。 人口が多く、人同士の距離が近い(ハグするイメージ)国だとワクチン効果が出るまでに時間がかかるのでしょうか。 インドのコロナ感染者数 インドも過去のニュースの記憶を振り返ると、コロナの影響が大きかった地域だと思います。港にコンテナが溜まり、昨年の上旬ではインド向けの物流が困難だったという印象があります。 各国の感染状況の原因をちゃんと確認をしていませんが、インドも増えています。インドでも自国でワクチンを開発しているけれども、まず人口が多いのとワクチンがまだ追いついていないという感じでしょうか。 欧州航路は厳しい これらのデータを見た時の私の印象ですが、欧州航路はまだまだ厳しいんじゃないかなと思いました。 ワクチンの状況にもよりますが、9月末、もしくは年末くらいまでかかるかもしれません。 北米航路は大丈夫なのか? 北米のコロナ感染状況が緩和してきているので、北米航路は大丈夫か?というと、正直なところ微妙だと現時点では思っております。 理由としてましてはバイデン大統領の約200兆円の追加経済対策です。これがサービスではなく、製品が消費されることになれば中国から更に貨物・コンテナが流れることになります。 そうするとLA港、LB港でまたコンテナが滞留します。そして、そうこうしているうちに9月・10月になってクリスマスシーズン、中国の国慶節(長期休暇)の影響が出るかもしれません。 まとめ コンテナ不足解消にはコロナが各国で抑えられることが条件の1つです。しかし現状を見る限りではヨーロッパでは抑えられていない。その他の大国もまだまだな状況です。 アメリカは国策もありコロナは抑えられていますが、また別の国策から消費が伸びて中国からのコンテナが増加し、港に滞留する可能性もあります。 今年、来年の海上運賃は依然として高い水準を維持するのではないか?というふうに私は考えております。
