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貿易コラム

ロシア・ウクライナ、鉄道、海上、航空サービス。貨物輸送リスクへの対応は? | 物流ニュース・物流ラジオ

ロシア・ウクライナ、鉄道、海上、航空サービス。貨物輸送リスクへの対応は?

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォール・ストリートジャーナルからのニュースで、「ウクライナ・ロシア情勢問題の輸送リスクの話」についてお話していきたいと思います。 2022年3月2日イーノさんの物流ラジオ 今後の市況 これは先週の土曜で、ロシアに具体的な経済制裁がまだ課せられていない時点の記事です。 しかし、今後の市況がどのようになるかの見解が書かれていてとても参考になったので、ご紹介したいと思います。 陸上から海上・航空へシフト フォワーダーは規制や混乱を避けるために、一部のサービスを停止し、サービスを陸上から海上または航空にシフトしています。 デンマークのDSV やドイツのDHLエクスプレスなどの輸送会社は、ウクライナ発着のサービスを停止しています。船会社もウクライナのオデッサ港とロシアの一部の港はBookingを停止しました。 今後、ロシアと西側が課す経済制裁によって、企業が出荷をどうするかを深く考えるようになっていきます。 各国企業の対応 本日時点ではアップル、ナイキがロシアで販売停止、イギリスのシェルがLPGのプロジェクトから急に離れたというニュースがありました。 輸送貨物への影響 フランスの物流事業者ジオディス(Geodis)は、先週の金曜日に、さらなる空域の閉鎖や航空会社ごとの制限により、遅延、キャパシティーの縮小、料金の値上げが発生する可能性があると予想していると述べています。 実際、現時点でもエアーにも遅れなどの影響が出ています。 アジアーヨーロッパ間の輸送 シカゴに拠点を置く貨物追跡技術会社のフォーカイツ社( FourKites Inc.)は、この紛争によって海・空・陸路の物資移動が妨げられるため、特にアジアとヨーロッパ間の輸送料金が急騰すると述べています。 同社によると、シベリア鉄道を使った中国からロシアを経て欧州連合に移動する貨物量は、貨物輸送の接続が中断されれば、海上または航空に移行する可能性があるとしています。 シベリア鉄道の使用 昨年上半期に中国から欧州連合に鉄道で移動したコンテナは、30万TEU以上でした。20フィート換算でコンテナ30万個以上になります。 よって、シベリア鉄道が使えないと、これくらいの量が海上・航空輸送に流れることになり、更にスペースが取りにくくなるのが目に見えており、運賃も上がります。 鉄道使用のリスク 米国を拠点とするFlexport Inc.は金曜日、シベリア鉄道の予約受付を停止し、代わりに航空便と海上便の代替便を提供すると発表しました。 もし鉄道が中断された場合、顧客が貨物を失う可能性があります。 フォワーダーとしてはシベリア鉄道を使う輸送を受けてしまうと、万が一の時にお客様の貨物の紛失リスクが出てくるため、責任が取れません。なので、最初から海上にまわした方が良いという判断は納得出来ます。 海運への影響 ロンドンにあるDrewry Shipping Consultants Ltd.は、世界の海運への”最初の影響は小さい”ものの地政学的緊張が世界経済の不安定さに拍車をかけるだろうとしています。 そして、燃料費とインフレの上昇をさらに加速させる可能性があると指摘しました。 今後の対応 今日お伝えした内容のことは、可能性として普通にあり得る話です。このリスクがあるということを頭において実務をしないといけないと思います。 シベリア鉄道が昨日時点では使えているので、このまま使い続けるのか。 運賃や燃料費が上がる可能性が高いため、予算を高めに見ておくとか。 欧州向けのスペースは今後かなりタイトになる可能性があるので、エアーを使うのか。 仕入れ先を北米・南米に変えて、北大西洋を超えて欧州に送るのか。 欧州で現地調達に変えるのか。 リスクをどう捉えて対処するのかが大切かなと思います。

L/Cの内容を解説 | 輸送・ロジスティクス

L/Cの内容を解説

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。今回は貿易取引の決済に使われる「L/C」について、解説していきたいと思います。 L/Cとは L/CとはLetter of Creditの略で、銀行が輸入者に代わって貨物代金の支払いを確約する、いわば保証状のことです。 輸出者は、L/Cに記載されている書類を準備し、銀行へ提示することが条件とされています。 L/Cは、全て英語で記載されています。そのため、英語が苦手な方は少し気後れしてしまうかもしれません。 貿易実務の中で「L/Cの確認」は単なる書類チェックだと思われがちです。しかし、英語で明記された信用状L/C条件の理解が求められるので、個人的には難しい業務だと思っています。 L/C決済のメリット L/C決済は、貿易取引における次の3つのリスクを回避するメリットがあります。 ・商品入手のリスク ・代金回収のリスク ・資金負担のリスク 特に初めての取引相手の場合、この3つのリスクが高くなります。 例えば、決済条件が後払いの場合、輸出者は「商品を発送したけど、本当に輸入者は代金を支払ってくれるのだろうか?」と、代金の回収に不安が残ります。 一方、前払いの場合だと、輸入者は「先にお金を支払ったけど、輸出者は商品を本当に送るのだろうか?」と、商品が手元に届くまで不安な日々を送ることになります。 このように、後払いでも前払いでも双方に資金負担が発生してしまいますよね。 しかしL/C決済だと、信用のある銀行が間に入ることで、輸入者は確実に商品の入手・輸出者は代金の回収が行えます。 輸出者・輸入者ともにお互いの不安を解消するメリットのある決済方法のため、貿易取引で利用されています。 L/Cの内容 それでは、L/Cの内容を見てきましょう。 なお、項目全てを説明していくと物凄い量になってしまうので、今回は私が特に重要だと思う項目・名称をピックアップして解説していきます。 銀行 まずは発行銀行です。これはL/Cを発行する輸入地側の銀行のこと。 英語ではOpening BankまたはIssuing Bankと呼ばれます。 発行銀行は、輸出者にとって輸入者に代わり支払いを行ってくれる「拠り所」。取引を行う前に信用条件を十分に満たしている銀行であるかどうか、十分に確認をする必要があります。 次に買取銀行です。これは輸出者がL/Cの基に作成した書類と為替手形を買取る輸出地側の銀行です。 英語ではNegotiation Bankと呼ばれています。輸出者から提出を受けた書類に誤りがあれば、買取りを拒否することができます。 そして通知銀行。通知銀行は輸出者へL/Cを通知する輸出地側の銀行です。 場合によっては、手形の買取を行う買取銀行にもなります。輸出者からの通知銀行の指定が無ければ、発行銀行の支店または輸出者の所在地近くのコルレス銀行にされることが多いです。 コルレス銀行とは、外国為替取引を円滑に行うために、国境を跨った銀行同士がお互いに必要な諸条件を契約として結んでいる銀行を指します。 輸入者、輸出者 どんどんいきましょう。 発行依頼人(Applicant)、通常は、輸入者を指します。 会社名と住所が記載されています。 受益者(Beneficiary)、通常は、輸出者を指します。 発行依頼人同様にスペルミスが目立つ項目なので、特に注意して確認します。 金額 信用状金額(Currency Code, Amount) 通貨とL/C発行金額が明記されています。 金額の前に「about」を付けることで、10%の範囲内で増減が認められます。ただし、船積書類に記載されているインボイス金額が、この信用状金額を超えるとディスクレとなります。 ちなみにディスクレとは、Discrepancyの略です。信用状条件と船積書類の内容が一致していないことを指します。 ディスクレとなると、買取銀行は代金の買取を拒否することができるので、輸出者はディスクレにならないように注意しなければなりません。 期限 船積期限(Latest Date for Shipment) 積出し日の最終日です。この船積期限までに船積みできない場合は、ディスクレとなります。 L/Cの有効期限(Date and Place of Expiry) 支払いが保証されている有効期間のことです。 記載されている期限内に買取銀行へ「為替手形」と「L/Cで要求されている船積書類」をセットにして提出しなければなりません。 1日でも期限を過ぎてしまうと、ディスクレとなってしまいます。 分割積み、積み替え可否 分割積みの可否(Partial Shipments) 商品の分割積み込みの許容について記載されています。 許容する場合は「ALLOWED」「PERMIT」、禁止する場合は「NOT ALLOWED」「PROHIBITED」と明記されます。 積替えの可否(Transshipment) 積荷港から荷卸港まで、他の船舶や他の運送手段に積み替えることを許容するかについて記載されています。 分割と同じく、許容する場合は「ALLOWED」「PERMIT」、禁止する場合は「NOT ALLOWED」「PROHIBITED」と明記されます。 必要書類 買取に必要な船積書類の種類・通数(Documents Required) 必要な船積書類や部数についての条件が記載されています。 主に次の書類の提出指示がされることが多いです。 ・商業インボイス ・パッキングリスト ・B/L ・保険証券 ・原産地証明書 追加条件 追加条件(Additional Conditions) その他の条件が記載されています。例えば、次のような条件の記載があります。 「すべての書類に署名が必要である」 「信用状番号はインボイスを除くすべての書類に含めなければならない」 船積書類提出期限 船積書類提出期限(Period for Presentation) 船積日から、いつまでに船積書類を買取銀行に持ち込まなければならないかが指定されています。 通常は、5〜10日以内です。提出期限の明示がない場合は、船積日から21日を過ぎた書類の買取は銀行が拒否しますので、この日にちにも注意が必要です。 今回紹介した項目は、L/Cの一部です。実際に仕事でL/C内容チェックをする際は全文に目を通す必要があります。 L/Cに関わるトラブル ここで、実際に発生するL/Cに関わるトラブルの例を紹介します。 決済に関わる重要な書類なので「間違えないように」と、何度も確認を重ね、買取銀行へ荷為替手形(為替手形と船積書類のセット)を提出。 すると、銀行から電話がかかってきて・・・「いただいた書類はディスクレのため、買取できません」と伝えられます。 急いで書類を見直すと、商品名のスペルミスが発覚。 すぐさま、輸入者側へ商品名のアメンド(=Amendment(変更))依頼をしたため、代金の回収をすることができました。 このように、たった1字のスペルミスでも、銀行から指摘されれば買取を拒否されてしまいます。 このような失敗を経験されている貿易関係者は少なくないと思います。 まとめ いかがでしたでしょうか。 貿易取引のリスクを回避するために、日本国内では使われないL/Cという決済が使われています。 L/Cとは何か、輸出者・輸入者にとってどういうメリットがあるのか、どういう内容が記載されているのかを理解することが大事です。 そして一方で、L/Cにもデメリットがありますので、それについてはまた別の動画でお話をさせて頂きます。 もし、今回の内容が為になったという方は、チャンネル登録・いいね!あとSNSでシェアをよろしくお願いします! 今回の内容は以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

ONE、ロシア向けコンテナ船Booking一部停止。欧州向けシベリア鉄道は通常通り、今後どうなる? | 物流ニュース・物流ラジオ

ONE、ロシア向けコンテナ船Booking一部停止。欧州向けシベリア鉄道は通常通り、今後どうなる?

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「ロシア・ウクライナ情勢について」いくつか記事をあげてお話ししていきたいと思います。 2022年3月1日イーノさんの物流ラジオ ONE、ロシア向け停止 一つ目の記事は「ONE、ロシア向け輸送を一部停止、欧州船社は通常通り運航」についてです。 オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)は2月25日、黒海沿岸のウクライナのオデッサ港やロシアのノボロシスク港に加え、バルト海側のロシアのサンクトペテルブルク港向けのコンテナ輸送のブッキングを停止すると発表しました。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻により、当該地域への輸送に支障が出るためとしています。 日本商船隊の対応 2月25日に黒海で日本のバルカー船が、ロシアの砲撃を被弾したことが影響していると思います。 過去、中東での紛争時にもタンカーへの被害が発生したケースもありますが、短期間に複数隻の貨物船が軍事行動で被弾するケースは例がありません。 日本商船隊にとっても深刻な事態と受け止めています。 船舶戦争保険エリアに また、船舶戦争保険でも黒海は3月1日から割増保険料の発生するエリアに指定されました。黒海周辺が船舶運航の「危険地帯」となっています。 欧州系船社の動向 マースクやCMA―CGMなど欧州系船社は、日本時間28日午後3時時点ではロシア向けサービスについて通常通り提供しています。 しかし日本や欧米諸国による対ロシア制裁の情勢次第では、各社ともロシア向け引き受け停止に動く可能性がありそうと記事は報じています。 ロシアの鉄道状況 次の記事は、「ロシア鉄道は通過貨物も平常運行。ウクライナ発着は制限あり」についてです。 シベリア鉄道通常運行 一部船社がロシア向け貨物の引き受けを停止する一方で、ロシア鉄道(シベリア鉄道)で貨物輸送を行うオペレーター各社は28日時点で「(ロシアを通過する)トランジット貨物輸送も含めて、鉄道便は通常通り運行している」というコメントを発表しています。 ロシアの貨物鉄道最大手トランスコンテナは、「中国・モンゴル国境や、ベラルーシ・ポーランド国境を通過するトランジット輸送は通常通り提供している」とのことです。 ただし、ウクライナとの間の貨物引き受けは制限しています。 シベリア・ランド・ブリッジ アジアから欧州向けのシベリア・ランド・ブリッジという国際複合輸送サービスがありますが、現時点では通常通り運行しています。 鉄道の使用可否 コンテナ船のスペース不足の問題で、欧州向けはロシアのシベリア鉄道を使って貨物を輸送しています。 もし鉄道が使えないとなると、またサプライチェーンで大きな目詰まりが発生してしまいます。欧州向けの海上運賃は確実に上がるでしょう。 中東のハブ港での混雑懸念 黒海地域が危険地帯になっているので、中東のハブ港(ドバイ、ジェッダなど)にコンテナが滞留する可能性が十分にあります。 戦争が長引けば世界のサプライチェーン全体の乱れにつながってきます。 引き続き市況の情報が入りましたら更新していきます。

ウクライナのオデッサ港が閉鎖!コンテナ各船社、ウクライナ向け一時停止。国際物流への影響。 | 物流ニュース・物流ラジオ

ウクライナのオデッサ港が閉鎖!コンテナ各船社、ウクライナ向け一時停止。国際物流への影響。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「ウクライナのオデッサ港が閉鎖。マースクなどコンテナ船社がウクライナ向け一斉停止」についてお話していきたいと思います。 2022年2月28日イーノさんの物流ラジオ ロシア、ウクライナ侵攻 ロシア・ウクライナ情勢の問題がコンテナ船を含めたグローバルサプライチェーンに大きな混乱を与え始めました。 2月24日からロシア軍はウクライナへの侵攻を開始し、ウクライナ当局は黒海に面した同国最大のコンテナ港のオデッサ港を現地時間24日閉鎖しました。 各船社サービス停止 マースク、MSC、CMA―CGMなど欧州系船社は、24日からウクライナ発着貨物の引き受けを停止しました。 今後通知があるまで、本船サービスのウクライナ寄港を中止する方針とのことです。 黒海のフィーダー船 これに合わせ、黒海でフィーダーを運航するコンテナ船の各社は一斉に同国向けの受託を停止し、これにより中東などの接続港でコンテナが滞留する可能性も出てきました。 フィーダー船とは主要港と、ローカル港をつなぐ船のことです。 中東の接続港はドバイ港や、ジェッダ港(サウジアラビア)は中東の主要港であり、ハブ港でもあるため、ここにコンテナが滞留するかもしれません。 ロシア発着サービス 一方、ロシア発着サービスについては、先ほどお伝えした各社とも現時点では通常通り利用可能としています。 ただし、今後、欧米諸国の対ロシア制裁など状況次第では、ロシア向けサービスの動向も不透明感が増しそうとのことです。 コンテナ船の逼迫 コンテナ船は世界的に需給が逼迫しており、海上の荷動きが鈍化しています。 黒海沿岸の商業港の停止は、今後、国際物流全体に大きな影響を与える可能性もあります。 去年の3月にスエズ運河座礁でコンテナ不足に拍車がかかり、スエズ運河は国際輸送の動脈の一つのため影響は大きく、海上運賃が高騰しました。 今回の戦争で黒海周辺での輸送で影響は確実にあります。 実際、25日に日本の貨物船がオデッサ沖で被弾したというニュースもありました。 国際物流への影響 現在のサプライチェーンは緊張の糸が張った状態で、何か一つの問題で、全体に影響が出るような状態です。 少しずつ解消の兆しが見えるかと思ったところ、今回の黒海周辺での問題により、また国際物流への影響は出てくるのではないかと思います。 引き続き市況については調べて発信をしていきたいと思います。

西濃シェンカー 社長へのインタビュー!デジタル化、人材の多様化、サステナビリティーへの取り組み | 物流ニュース・物流ラジオ

西濃シェンカー 社長へのインタビュー!デジタル化、人材の多様化、サステナビリティーへの取り組み

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「西濃シェンカー、オン・シュウウェイ社長へのインタビュー記事」についてお話していきたいと思います。 2022年2月25日イーノさんの物流ラジオ 西濃シェンカーとは 独DBシェンカーと日本のセイノーホールディングスの合弁会社である西濃シェンカーに、昨年9月にオン・シュウウェイというアジア人の女性が社長に就任しました。 デジタル化、人材の多様化、サステナビリティーへ取り組んでいます。その活動内容が面白かったので紹介していきたいと思います。 これからの物流業界に必要なことを既に実践していっている、大変革新的な社長さんです。 昨今のお仕事内容について 日本事業の現状は? 「半導体、エレクトロニクス、ヘルスケア、自動車関連を中心に顧客の物流需要は力強い伸びを見せているので、チャレンジングな状況である」としています。 現在、港の混雑、労働力不足、スペース不足などが世界中で起こっています。 混乱への対応は? 「西濃シェンカーは長年提供している代替ソリューションへの需要が高まっている」とおっしゃっています。 海上輸送を使い、途中から航空輸送するシー&エアサービスや、海上輸送と列車を組み合わせた、シー&レイルなど、複合輸送サービスがあります。 他にも、緊急の航空輸送需要に対しては欧州、米国向けの定期チャーター便を提供し、スポットチャーターも手配しています。 フォワーダーならではの対応 こういった自由な組み合わせで輸送上の問題解決を出来る、フォワーダーならではの動きができている会社です。 また、グローバルフォワーダーの強みとして、「航空や海上のキャリアと強い関係を構築し、事前にキャパシティーを押さえていることもグローバルプレーヤーとしての強みの一つだ」としています。 「日本とシンガポール、ドイツ本社で情報を共有し、購買を最適化している」と続けています。大手フォワーダーだと、世界規模でものすごい物量をベースにキャリアに交渉出来ます。 日本事業への課題 ここからが僕が面白いと思った本題です。 日本事業に課題はあるか? 「日本に限ったことではないが、スピード感を持って柔軟に変化し、日本のデジタル化、自動化、ロボット化をさらに推進していきたい」とおっしゃっています。 日本は製造分野に比べ、物流分野のデジタル化・自動化が遅れていると言われています。 「日本のロジスティクスにはまだまだ進化していく余地がある。デジタル化を加速するに当たっては、DBシェンカーが世界中で蓄積してきた知見からトップレベルのものを展開できる。」 「これに顧客のニーズに合わせた日本独自の取り組みを組み合わせていく」と発言しています。 自動化機器の導入 大手外資だからこそ見えている景色であり、国外での実績・経験をもとに、それを日本市場にカスタマイズして導入していこうとしています。 西濃シェンカーは、国内ではB to C物流の業務などで、自動化機器を導入しています。 フォワーディング業務では書類作成などにロボティック・プロセス・オートメーションを活用しており、社員はより付加価値の高い業務に集中できるように対応しています。 今の時代、簡単な書類作成は人がやらなくてもやっていけます。 本当に書類が多い業界なので、一般的な業務の書類作成はどんどん自動化していくべきだと思います。 サステナビリティーへの取り組みは? 「DBシェンカーはサステナビリティーを重要課題とし、その一環として2022年にEV(電気自動車)・トラックを導入するなどサプライチェーンの脱炭素化にも取り組んでいる」とのことです。 これからのロジスティクスで必要・重要と言われていることを実行されている革新的な会社だと思います。 人材の呼び込み 更にここもポイントですが、最も重要なことは「ロジスティクス業界に人材を呼び込むこと」としていることです。 社長曰く、「シンガポールではインダストリアル・エンジニアリングや自動化の専門家がロジスティクス産業で活躍している」 さすが外資ですね。 人材の確保にはどう取り組むか 「西濃シェンカーはジェンダー・ダイバーシティーを重視しており、性別に関係なく個々人の才能を評価する。」 「サプライチェーン産業は歴史的に男性中心だったが、当社のマネジメント層では女性が複数活躍している。今後もより多くの女性が業界にジョインし、リーダーとして力を発揮していくよう後押ししたい」 ジェンダー関係ない人材評価 これから、この人材という点はとても重要だと思います。弊社のタイのグループでも抜群に優秀な女性社長がいます。 一方でタイにある日系の会社で、「何しにきたの?」という日本人の男性社員は結構いた印象があります。 日本の会社でも、どういう人事評価か分かりませんが、なぜか評価されている男性の社員や、評価されていない本当は優秀な人がいるはずだと考えます。 優秀な人材はジェンダー関係なく正当に評価されるべきです。 これからの起業について 僕がこれから起業しようとしている会社は、国際物流業界・サプライチェーン業界での人材紹介業です。グローバル人材、女性の管理職、物流のIT人材の3本柱で行く予定です。 女性役員をパートナーとし、IT人材に関しては僕がプログラミングを現在必死で勉強中です。 僕自身も人材が本当に大切だと思っており、優秀な人材で事業が大きく変わる、ということは実際に経験しています。 今回の記事を読み、西濃シェンカーのオン社長にぜひお会いしたいと思いました。革新的なので、古い業界の商習慣を大企業が覆して欲しいです。 今後も応援していきたいと思います。

北米西岸向け海上運賃、最高値更新!USD 8,000ドル台。空コンテナ改善も、続くスペース不足 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米西岸向け海上運賃、最高値更新!USD 8,000ドル台。空コンテナ改善も、続くスペース不足

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞からのニュースで、「北米西岸向けの現時点でのコンテナ運賃」についてお話していきたいと思います。 2022年2月24日イーノさんの物流ラジオ 北米向け運賃、最高値 アジア発北米向けコンテナ運賃が、引き続き上昇傾向にあります。 2月18日付の上海発北米西岸向けコンテナ運賃は、40フィートコンテナ当たり8,117ドルとなり、2週連続で過去最高値を更新しました。 他航路のレート 北米西岸向けの値上がりが続く一方、北米東岸向けは1万870ドル/40’と前週比では152ドルの値下がり。 北欧州向けは20フィートコンテナ当たり7,652ドル(前週比25ドル減)、地中海向けは7,416ドル(前週比19ドル減)となりました。 旧正月明けて 旧正月明け直後は値下がりするものの、今年は全体的に少しの値下がりにとどまっています。昨年秋以降は多少の値動きの変動はありますが、ほぼ横ばいで、目立って大きな動きは出ていません。 他には、南北航路やアジア域内も旧正月明けで少しの値下がりとなりましたが、大きく崩れるような印象はなく、現場の感覚でも、タイ発で特に価格が大きく変わっている印象はありません。 コロナ禍前であれば、旧正月明けで需給が緩みますが、その気配は出ておらず、短期契約のコンテナ運賃市況は依然として高止まりする傾向にあります。 北米西岸の状況 米西岸ロサンゼルス・ロングビーチ両港の沖まちコンテナ船は、先週末時点で76隻と、依然として高水準です。 減ってきてはいますが、76隻は多い数字です。 続く価格上昇 今現在も西海岸向けの価格が上がり、最高値を更新しています。 年末年始から旧正月にかけて、価格の天井が見えたような気がしていましたが、まだ上がっているというのに少し驚きました。 空コンテナの改善 北米の状況の確認のため、ウォール・ストリートジャーナル、ジョブドットコムの記事を読みました。 北米西岸港湾の空のコンテナの扱いは改善してきたようです。 臨時の空コンテナだけを輸送するスイーパー船を75隻以上つかい、アジアにコンテナを回送したことで、ターミナルに少し作業スペースが出来、改善傾向にあります。 続くスペース不足 とはいえ、現場の感覚からしても、ボトルネックが解消はしておらず、特に北米向けは、依然としてスペース不足は続いています。 先日も、他のフォワーダーでスペース取れないからイーノさんの会社でとれないか?と依頼されました。幸い、弊社では取ることが出来ましたが、仕入れがあまり強くないと売れるものがなく、厳しい状況が続いています。 運賃市況については実務をされている方、投資家の方も気になるところだと思うので、引き続き発信していきたいと思います。

海上輸送におけるアメリカ24時間ルールについて | 輸送・ロジスティクス

海上輸送におけるアメリカ24時間ルールについて

この記事を動画で見る どうもこんにちは、飯野です。今回は海上輸送における「北米の24時間ルール」について解説をしていきたいと思います。 今回の内容に関連する「海上輸送のマニフェスト」を解説する動画を概要欄にリンクを貼っておきます。 あせて見て頂けると理解がより深まると思います。 海上輸送におけるマニフェストとは? 「24時間ルール」とは まず、「24時間ルール」とは、一体なんのことでしょう。 これは、税関へのマニフェストを提出する期限のことです。マニフェストは、陸、海、空ともに税関へ提出するよう義務付けられています。 マニフェストについて 簡単に、海上輸送におけるマニフェストについて触れておきましょう。 マニフェストは船に積まれた貨物の情報が記載された明細書のことです。揚地側の税関にどんな貨物が運ばれてくるのか事前に知らせるという役割があります。 税関は、国民生活の安全・安心を守る為、水際での取締りを行うことで、その名の通り「関所」としての役割を担っています。 その税関がテロ行為に使用される疑いのある貨物を事前に特定し、それらの貨物が輸入されないよう、マニフェストの情報を確認しています。 尚、マニフェストの内容はBLの内容が基となります。 「24時間ルール」導入背景 それではまず、24時間ルールが導入された背景について説明しましょう。世界で最初に24時間ルールを導入・実施したのはアメリカです。 導入・実施となった背景には2001年9月に起きたアメリカ同時多発テロが切っ掛けでした。 テロ以降、アメリカではテロを未然に防ぐために海上貨物に関するセキュリティ規則を強化。 アメリカ税関国境警備局CBP(U.S. Customs and Boarder Protection)より、テロ対策の一環としてセキュリティ規則の一つに「24時間ルール」が導入されました。 「24時間ルール」について 次に、海上輸送におけるアメリカ24時間ルールについてご説明していきましょう。 既にお伝えした通り、「24時間ルール」とはマニフェストの提出期限のことで、外国の港で貨物が本船に積まれる24時間前までに船会社からマニフェストをCBPへ送信しなければならないというルールです。 House BLがある場合、House BLを作成したNVOCCまたはForwarderがマニフェストを作成・送信することがあります。 マニフェストの送信元 CBPへのマニフェストの送信元についてですが、貨物を載せた本船が揚港へ直行する船か、または輸送途中で別の本船に積み替えられた場合では、マニフェストの送信元が変わります。 アメリカ24時間ルールの場合、積地から貨物を載せた船がアメリカへ直行する船であれば、積地側の船社、NVOCCまたはForwarderが直接CBPへマニフェストを送信します。 一方、貨物がアメリカに到着する前に、他国の港で別の本船に積み替えられた場合、本船がアメリカの港に入港する前に最後に寄港した国の船会社代理店がマニフェストをCBPへ送信します。 尚、CBPへの申告対象には、アメリカで荷卸しされる貨物のほかに、アメリカの港を経由して他国に輸入される貨物も含まれます。 AMS送信 CBPへマニフェストを送信する際、船会社はAMS (Automated Manifest System)というシステムを使用します。 そのため、マニフェストを送ることを「AMS送信」と言うこともあります。 「10+2ルール」 尚、CBPでは、テロ行為に使用せれる疑いのある貨物の選別の制度を高めるために、輸入者に10項目、船会社に2項目の貨物の情報を提出するよう義務付けています。 これをISF (Importer Security Filing)「10+2ルール」といいます。 B/L No.報告 また、輸入者はISFの情報に加えて、CBPから提出必須情報としてBL Noの報告も求められます。 CBPはマニフェストによる貨物の情報と、輸入者からのISFによる貨物の情報をBL Noで結びつけ照合し、識別します。 「24時間ルール」の注意点 次に24時間前ルールにおける注意点をご説明します。 まずCUT日は必ず確認しましょう。CUT日とは、コンテナ貨物をコンテナ・ヤードに搬入する、またBLの基となるD/RまたはACLを船社に提出する、両者の期限のことです。 上記で述べた通り、輸出の場合、貨物を積んだ本船がアメリカへ直行する場合、積地の船社から直接CBPへマニフェストを送らなければなりません。 そのため、船社は通常のCUT日より2日から3日程早く設定しています。これは、CBPへマニフェストを確実にコンテナ貨物が本船に積まれる24時間前までに送信するためです。 船社は膨大なD/RやACLの情報を扱わなければなりません。そのため、もし不正確な情報をCBPへ提出した場合、CBPから罰金が科せられる場合があります。 早めにCUT日を設定することで、D/RやACLに不備あった場合に、荷主と確認を取る時間を設けることができます。 貨物が滞りなく積載されるためにもCUT日までにD/RやACLを船社へ提出できるよう、本船が決まったら随時CUT日を確認しておきましょう。 B/L No.を輸入者へ連絡 他にはMaster BL No & House BL Noが発番されたら、速やかに輸入者へ連絡をしましょう。 前述でもお伝えした通り、輸入者はISF情報をCBPへ報告する際に、BL Noを適切なタイミングでCBPへ報告しなければなりません。 House BLがある場合は、Master BL Noと共にHouse BL Noも提出する必要があります。 もし、ISFの情報に不備があったり、不適切なタイミングでCBPへ送信された場合、1件につきUSD5,000のペナルティーが課せられます。 輸入者側で不要な追加費用が発生しないためにも、荷主は両者のBL Noを入手次第、速やかに輸入者へ連絡をするようにしましょう。 まとめ それでは、本日の内容をまとめます。 海上輸送におけるアメリカ24時間ルールは、テロ対策の一環として導入されました。 また、テロ行為に使用せれる疑いのある貨物の選別の制度を高めるために、輸出者側からの貨物の情報と輸入者側からの情報を照合し識別するISFも導入されました。 アメリカではテロ以降、輸入または経由される貨物のセキュリティが非常に厳しくなり、貨物を輸出・輸入する際の手配に細心の注意を払う必要があります。 また、近年、アメリカ24時間ルールを皮切りに、カナダ、欧州、中国、イスラエル、エジプト、日本などでもテロ対策として、その国独自の24時間ルールを導入しています。 ですので、ご自身の担当する国の24時間ルールの有無を事前に確認しておくことをお勧めします。 今回の内容はいかがだったでしょうか?もし、よく分かったなという方は、チャンネル登録やいいね!あとSNSでのシェアをよろしくお願いします。 どうも、ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

MSCジャパン社長へのインタビュー記事について。海運市況と日本のマーケット考察。 | 物流ニュース・物流ラジオ

MSCジャパン社長へのインタビュー記事について。海運市況と日本のマーケット考察。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「世界最大のコンテナ船社、MSCジャパン社長・甲斐督英(かい・まさひで)さんのインタビュー記事」をご紹介したいと思います。 2022年2月22日イーノさんの物流ラジオ MSC、海運業への投資 2022年1月、スイス船社MSCはコンテナ船の船腹量で世界トップの座に就きました。MSCは積極的な船への投資により、供給力を維持しています。 競合他社が航空など事業多角化に乗り出す中、主力の海運業での供給責任を果たすことに重きを置いています。 この1年強で約150隻の船腹を購入しました。 MSCジャパン社長インタビュー MSCジャパンの社長は「われわれは船会社である。顧客の要望があれば、通関・内陸輸送などもパートナーを通じて提供できるが、あくまで海上輸送が中核だ」と述べています。 質問:コロナ禍からの市場をどう振り返るか? 国際物流混乱の主な要因は港湾混雑です。 北米西岸が特に注目されていますが、実際には欧州、アジア、全ての主要港で混雑が悪化しており、北米も東岸、ガルフ(フロリダ - 東南)の地域にも混雑が波及しています。 MSCジャパンの社長は「ここが変わらない限りは、状況は改善しない」と指摘しています。 日本港湾の状況 そんな中、日本港湾はこの状況でも混雑が少ないです。 荷量の問題もありますが、生産性の高さ、労働者の勤勉性といった、日本市場の強さが出ていると言えるとおっしゃっています。 サービス品質の改善 ここからが面白い話なのですが、コンテナ輸送は、サービスを買う側がサービス品質を改善できる、とMSCジャパンの社長は述べています。 例えば、港湾混雑を解消するために、早期の貨物引き取り、コンテナ返却などをすることで、ネットワーク全体の質を向上できます。 逆に、不必要に前倒しでコンテナを確保するといった行動は、コンテナの稼働率を下げ、結局は自社に提供されるサービスの質を低下させることに繋がると指摘しています。 サービスを購入する側の協力 在庫を用意していない店が良くない、と言う話ではなく、全体のことを考えて購入すれば、全体に安定して供給できるイメージだと思います。 「サービスを提供する側の責任が大きいのは当然だが、購入する側ができる部分も大きいということを理解いただき、サービスを改善していきたい」とおっしゃっています。 質問:日本市場での輸送量はコロナ禍前の19年と比較してどうだったか? 残念ながら「現在はコロナ前の水準に戻した」という程度であり、大きくは伸びていない、としています。 グローバルな市場ではMSCのシェアは約17%あり、日本では、グローバルのシェアには至っておらず、その分、供給能力に余裕はあります。 荷主にとって何が重要か 「今、荷主企業にとって何が重要なのか。「運賃」か、それとも「運ぶ」ことなのか」と述べています。 運びたいという顧客に対しては、まだスペースを提供できる余地があるとのことです。 ただ、その場合はアジアなど他のマーケットと競合できる健全な運賃水準である必要はあるだろうと続けています。 健全なマーケット これまで日本の市場は安すぎ、他のマーケットと比べて安いと船社もそこにコンテナスペースを供給する意味がなくなります。 特に外資の船会社なら尚更です。 質問:今期の入札動向は? 今期交渉も「どれだけのスペースが出せるか」というのが核心部分であるとし、そこの合意ができれば、海上運賃は別途交渉することが可能であると続けています。 スペースに関する合意が遅れると、その荷主は最終的に、さらに高い運賃水準でスペースを探すことになる可能性もあります。 日本の運賃への意識 これは、MSCが高飛車になっていると言う話ではなく、単純にマーケットの需要と供給の話です。 先日、同業者さんとの話で、日本の大手荷主が、未だに海上運賃を叩いてくるという話になりました。コロナ前と同じで、運賃は叩けば何とかなると思っているかもしれません。 MSCは特に船に大きな投資をしており、そこに対し極端に叩きすぎるというのは、極端な話、船会社をつぶすことにもなりかねます。 これに関しては、色々と物申したいことがありますので、また別の機会にお話ししようと思います。

北米東岸の港湾混雑、悪化中!チャールストン港で沖まち30隻に。 | 物流ニュース・物流ラジオ

北米東岸の港湾混雑、悪化中!チャールストン港で沖まち30隻に。

どうもこんにちは、飯野です。 本日はウォール・ストリート・ジャーナルのニュースから、「チャールストン港沖のコンテナ船の沖待ちが30隻に増加」についてお話していきたいと思います。 2022年2月21日イーノさんの物流ラジオ チャールストン港、沖待ち30隻 チャールストン港はサウスカロライナ州のチャールストン港は北米東海岸の南よりの港で、東海岸で4番目にコンテナ輸入の多い港です。 チャールストン港でのコンテナ船の沖まちが先月の19隻から、30隻に増えています。 これは、米国の輸入業者を悩ませているサプライチェーンの混雑が、北米西岸だけでなく、様々なところに及んでいることを示しています。 混雑の解消は サウスカロライナ港湾局は、以前はこの混雑は3月中旬までに解消されると予想していましたがが、現在は4月中旬までに解消されると予想していると述べています。 これもどうなのかは分かりません。 2年近く、いつまでに解消するだろう、と言われていますが、なかなか状況は変わりません。 生産性低下 船が出るときと来るときを除けば、バースが空いている時間はなく、このようにターミナルが満杯になると、生産性が落ちます。コンテナの積み下ろしのために滞在時間が長くなる船も出てきます。 チャールストン港の沖まちは、過去の基準からすると依然として大規模なままで、現在も増大しています。 輸入コンテナ取扱量も増えており、前年比で25.4%増となっています。 いつ混雑がはじまったのか? チャールストン港の沖まちが始まったのは昨年の感謝祭の頃で、11月第四木曜の翌日のブラックフライデーのセールから続いています。 年末の大量在庫用の注文分が米国に届き、混雑している西海岸の港から別の港に貨物を振り向けようとしたことによります。 そのため、東海岸のいくつかの港では混雑が発生しています。 現在の北米西海岸の状況 カリフォルニアの港に待機しているコンテナ船の数は、1月9日のピーク時の109隻から、先週の木曜日には72隻に減少しました。 北米の輸入貨物の急増 このラジオで何度もお伝えしていますが、北米の輸入の急増の原因は、下記と考えられます。 1. コロナ初期に枯渇した在庫の急な補充 2. 小売業者の消費者の強い需要への供給 労働者不足 これにより、シャーシ不足、トラックドライバー不足、倉庫スペース不足が起こり、混雑を引き起こしています。 あとはコロナ感染者です。感染力の強いオミクロン株に、港湾労働者、倉庫労働者、ドライバーなどが感染し、労働者不足になっています。 混雑のボトルネック 西海岸がパンパンの状態が続けば、東海岸に貨物が集まってしまいます。 やはり最大のボトルネックは西海岸の混雑であり、これが解消されるまでは、東海岸でも混雑緩和は難しいです。 引き続き、西海岸、東海岸の情報をアップデートしていきたいと思います。

脱炭素!!バイオマス原料の輸送増。異例の10年の長期契約!FIT制度とFIP制度。 | 物流ニュース・物流ラジオ

脱炭素!!バイオマス原料の輸送増。異例の10年の長期契約!FIT制度とFIP制度。

どうもこんにちは、飯野です。 本日は海事新聞のニュースから、「日本向け木質ペレット、今年6割増で480万トンに。近海船、復航船のタイトが持続」についてお話していきたいと思います。 2022年2月18日イーノさんの物流ラジオ バイオマス発電燃料、輸送拡大 日本向けバイオマス発電燃料荷動きが拡大しています。 一部の邦船社の予測によると、今年の日本向け木質ペレットは前年比6割増の480万トン、PKS(パームヤシ殻)は5%増の420万トンに伸長する見通しとのことです。 FIT制度によりプロジェクト活性化 日本ではFIT制度があり、それを背景に全国各地でバイオマス発電プロジェクトが活発化しています。 FIT制度は2012年からスタートし、再生エネルギー発電業社に対して固定価格で電力会社が電力を買い取る制度です。 電力安定供給の重要性 日本は2050年にカーボンニュートラルを目指しており、色んな業界で脱炭素の取り組みが進んでいます。 特に自動車業界が注目で、最初はトヨタ以外がEVへシフトし、最近、トヨタも最終的にEVにシフトし始めました。 電気自動車にシフトしていくので、電力の安定供給が重要で、その電力も再生可能エネルギーにしたいということです。 FIT制度、FIP制度 2022年4月からFITに加えて、FIPという制度がスタートします。 FIT:Feed in Tariff FIP:Feed in Premium FITは固定価格買取の制度で、需要が高い時でも低い時でも同じ価格で買取する制度です。再生エネルギー発電業社を増やすための取り組みです。 FIPは電力市場の需給バランスに合わせて買取価格が変動し、それにプレミアム価格が上乗せされて買い取る制度です。電力市場のバランスを考えてFIP制度が導入されます。 こういう制度が作られるというのは、カーボンニュートラルを目指して動いているということです。 大型発電所の運転開始相次ぐ 特に今年から来年にかけて木質ペレットを主燃料とする大型発電所の運転開始が相次ぐ予定です。 北米や東南アジアからの燃料の輸入拡大が期待されています。 この国内の大型バイオマス発電所の相次ぐ稼働が追い風となり、近海貨物船と日本-北米ルートでのバルク船のタイト感が続きそうと報じられています。 さらに来年以降もバイオマス発電所の拡大基調の持続が見込まれています。 これからのバイオマス燃料 2023年の日本向け木質ペレットは650万トン、PKSは470万トンへの増大が期待されています。 PKSはパームヤシからパームオイルを取ったあとの殻を乾燥させて作るもので、インドネシアが世界一の産地です。 邦船オペレーター各社の最近の近海貨物船では、バイオマス燃料が増えており、「数年後には復航トレードが配船の中心になってくる」との声が高まっています。 復航トレードとは 日本から東南アジアへ鉄鋼などを運び、東南アジアからパームなどを積んで、日本などに戻ってくる便のことで、帰り便と考えていただければ大丈夫です。 10年の長期契約 FIT制度における発電燃料は長期の安定供給が最重要課題です。そのため近海貨物船では異例の契約期間10年以上の長期契約の成約が増えています。 邦船関係者は「バイオマス燃料がベースカーゴとして計算できるため、これからの近海貨物船やハンディサイズの新造整備計画が立てやすくなる」と発言しています。 投資へのプラス効果を期待していると指摘しています。日本の脱炭素の動きがバイオマス発電原料の荷動きに影響しています。 長期契約の利点 10年の長期契約というのが大きいと思います。 長期契約になると、船会社も価格競争になりにくく、投資の回収の見通しがつき、経営も安定するようになります。 脱炭素 他には脱炭素の取り組みでCCUSというものがあり、排出したCO2の輸送船の投資も始まり、商船三井などが始めています。 国際物流では現在はコンテナ船が大きく影響していますが、環境対策で運ぶものや船も変わってきており、とても面白いと思います。 利益を上げた船会社が、こういった投資が進んでいき、環境に優しい、未来に向けての輸送形態ができていくのではないでしょうか。