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貿易コラム

保税輸送について | 輸送・ロジスティクス

保税輸送について

保税輸送について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は保税輸送について解説をしていきたいと思います。 これまで保税の基礎、保税地域、貿易における保税の重要性と 数回にわたり保税に関して説明をしてきましたが、今回説明する保税輸送もこれらの全てに関連することなので、抑えておかなければいけない知識です。 それではいってみましょう。 保税輸送とは 保税輸送とは 指定保税地域から保税蔵置場などへ輸送する時に、外国貨物のまま運送することです。これだとちょっと分かりにくいですよね。もう少し詳しく解説します。 外国貨物とは通関で輸出許可得たあとで船や飛行機にまだ積みこんでいないもの、そして輸入地の港や空港に到着して、まだ輸入申告の許可を受けていないものを指します。 貨物自体は国内にあるけれども、外国の貨物という保税状態の扱いとなります。またこの外国貨物は保税地域に置く必要があります。 この保税地域には港(指定保税地域)、保税倉庫(保税蔵置場)などがあります。輸入の場合ですが、まだ輸入通関が完了していない外国貨物を、港から指定の保税倉庫に輸送する場合は、保税の状態のまま移動させる保税輸送が必要になります。 OLT(OVER LAND TRANSPORT)とは 保税輸送は専門用語ではOLT(OVER LAND TRANSPORT)と呼ばれます。これは陸送による保税輸送を指していて、トラックやドレージによる輸送です。 ILT(INTER CORST TRANSPORT)とは また内航船などを使い船による保税輸送をILT(INTER CORST TRANSPORT)といいます。コンテナのフィーダーや原料の輸送などに使われます。 タイのOLT輸送 タイの場合だと、ラッカバンというICD(内陸のコンテナデポ)に貨物を積んだ輸出コンテナを搬入し、OLTでレムチャバン港に運んでから船に乗せたり、 タイのILT輸送 輸入ではレムチャバン港に本船が到着し、コンテナを積み下ろしてバンコク港にフィーダー船でコンテナを輸送するILTがあります。 フォワーダーにとっての保税輸送 保税輸送はフォワーダーにとっては非常に身近なものです。例えば時間がかかる税関検査の場合。港に貨物を長期間置いておくとフリータイムが切れて、デマレージという超過保管料金が発生します。 このデマレージを避けるために、近くの保税倉庫に貨物を保税状態で移動させて、検査が完了してから輸入通関をすることになります。 またLCL(混載貨物)の場合は、CFS(コンテナ・フレート・ステーション)という保税蔵置場に貨物を搬入し、コンテナに詰め込んでから港(指定保税地域)に保税輸送します。 タイ・ミャンマー・第三国の国際複合輸送 タイで活動している私として 最近多く対応しているのが、ミャンマーが絡んだ保税輸送です。タイとミャンマーは隣同士の国で、タイをハブとした輸送が可能です。 昨今のミャンマーでは政情不安や、世界的なコンテナ不足という問題も重なり、ミャンマーのヤンゴン港を使用するより タイのレムチャバン港を使用する方が安定して貨物の輸出入が出来ます。 そのため輸出の場合だと、ミャンマーのMyawaddy、タイのMaesortという国境をトラックの保税輸送(OLT)で超えて レムチャバン港まで外国貨物として輸送し、レムチャバン港からアメリカや日本に海上輸送するケースが最近は増えています。 こういった複合輸送を手配できるのがフォワーダーの仕事の醍醐味だなとも思いますし、保税の知識は貿易・国際物流に携わる人であれば必ず抑えておきたいところです。 まとめ 今回の保税輸送について、ご理解頂けましたでしょうか。これまで制作した保税に関する動画のリンクを全て概要欄に貼っておきますので、合わせてみて下さい。 チャンネル登録がまだという方は是非ともよろしくお願いします。 今回のお話は以上になります。また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

保税地域について | 輸送・ロジスティクス

保税地域について

保税地域について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は保税地域というテーマでお話をしていきたいと思います。 以前の動画でも説明しましたが、貿易や国際物流には保税というものがあります。保税とは国内にありながらも、外国の貨物の扱いとなっている状態のことです。 詳しくは「保税の基礎」という動画で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。 この保税状態になった貨物を保管出来る場所は決まっていて、保税地域と呼ばれます。今回は保税地域の目的と機能を、詳しく見ていくことにします。 それではいってみましょう! 5つの保税地域 まず保税地域には、機能と目的によって次の5つの種類があります。 ・ 指定保税地域 ・ 保税蔵置場 ・ 保税工場 ・ 保税展示場 ・ 総合保税地域 今回説明している内容は日本の関税法に基づいたもので、他国の場合は名称や制度が異なりますのでご注意ください。 一つずつ見ていきましょう。 指定保税地域 まずは指定保税地域です。指定保税地域は国や地方公共団体などが所有し管理する、土地および建物などの 公共施設において、日本では財務大臣が指定した場所です。 この保税地域が国際物流で必ず利用される、コンテナヤードのことで、船から積み下ろした外国貨物を一時保管することが出来ます。また税関手続の簡素化、迅速化のために、各地の税関の近くに設置されています。 保税蔵置場 次に保税蔵置場です。保税蔵置場とはフォワーダーなどの自社の倉庫や貨物施設で、税関庁の許可を受けた施設です。いわゆる保税倉庫や上屋等がこれにあたります。 主に貨物の搬入、積み下ろし、保管を目的としています。輸入の場合、保管をしている期間は関税はかかりません。この場所で貨物を仕分けをしたり、ラベル貼りや簡単な作業をすることも出来ます。 保税工場 保税工場は、外国貨物の加工・製造ができる保税地域です。主に加工貿易をするために使用されます。輸入した原材料には税金はかからず、保税工場で加工を加えて再輸出をする事が出来ます。 魚介類の缶詰、菓子、鋼材、電線、船舶、自動車、精密機械など、様々な分野の製品が保税工場で生産をされています。 私が活動しているタイにおいては、FreeZoneと呼ばれる保税地域内に工場があります。国によってはこのように保税工場というものはなく、FreeZone内の工場として存在していると思います。 保税展示場 保税展示場は、外国貨物を展示する会場とされています。 外国貨物を関税を課さずに展示できる場所で、国際的な博覧会や商品の展示場として利用され、簡易的な通関手続で貨物を展示保管する事が出来ます。 もし この保税展示場を使用しない国際展示会であれば、再輸出免税制度やATAカルネを使用して免税手続きを取らなければいけません。 総合保税地域 総合保税地域は、保税蔵置場、保税工場、保税展示場の3つの保税地域の総合的な機能を持っている保税地域とされています。 日本では中部国際空港や横浜国際流通センターなどがあります。 まとめ 今回は保税地域について説明をしました。貿易の初心者の方は、まず大まかに保税地域にはそれぞれ目的と機能があると理解して頂ければ大丈夫です。 次回は貿易において、なぜ保税が重要なのか?についてご説明をします。今回説明した保税地域の内容も関係しています。チャンネル登録がまだの方は、ぜひこの動画の終了時によろしくお願いします。 今回は以上です!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易実務での保税の重要性 | 輸送・ロジスティクス

貿易実務での保税の重要性

貿易実務での保税の重要性について動画で解説 どうもこんにちは飯野です。 今回は貿易実務において保税が重要だという理由について説明したいと思います。 貿易初心者の人のために「保税の基礎」という内容を別の動画で解説をしました。概要欄にリンクを貼っていますので、基礎から学びたい方はそちらからご覧下さい。 輸入貨物には関税・消費税がかかる 貨物を輸入する時には、一般的に税金(関税・消費税)がかかります。しかし輸入において保税状態であるということは、税金をまだ払っていないということです。このポイントが非常に重要です。 現代の貿易においては、製品や原材料を単純に輸出入するだけではありません。各国で違った部品を作ったり、仕入れたりをして、別の国で最終製品に仕上げる加工貿易というものがあります。 加工貿易を理解する 加工貿易のポイントをもう少し詳しく説明しましょう。 製造メーカーが材料を調達する時に、国内で材料調達をするより、生産コストが安い国から調達をする方がコストメリットがある場合があります。それを最終製品に仕上げて、海外(第三国)に輸出するのが加工貿易です。 税金の優遇措置をとらない加工貿易の場合、材料を輸入する時に税金がかかります。そして更に最終製品が他の国に輸入された時にも税金がかかってしまうと、最終製品の価格は必然的に高くなります。 製品価格が高いと価格競争力がなくなり、売りにくくなってしまいますよね。 自動車での加工貿易の例 自動車の生産で例を上げましょう。 タイヤはA国、ハンドルはB国、ブレーキはC国から調達するとします。そして最終的な組み立ては日本。完成した車をアメリカに販売するとしましょう。 タイヤ、ハンドル、ブレーキなどのそれぞれのパーツの輸入で税金(関税・消費税)が日本でかかり、そして完成した車にはアメリカで輸入の税金がかかるという状態です。 アメリカの国産車と比較すると価格が高くて売りにくい!という問題が出てきます。 保税を利用した加工貿易 このような状態を避けるために加工貿易では保税を利用します。ここで登場するのが保税地域を解説する動画で登場した、保税蔵置場や保税工場です。タイではFreeZone内の工場や倉庫もこれにあたります。 輸入において保税状態であるというのは、まだ税金(関税・消費税)を払っていない状態だと最初に説明しました。この保税状態で加工をして、そのまま他国へ輸出をすると部品や材料に対しての税金がかかっていない状態で貿易を取引が出来るのです。 もちろん最終製品の関税・消費税は他国では発生しますが、保税を利用しない場合に比べると価格メリットがあり、競争力が生まれることになります。 色んな種類の加工 製品によって色んな加工があります。自動車のように大きな設備を使って加工を加えるものもあれば、衣服のタグを変えるくらいの簡単な加工もありますし、また加工でなくても 保税状態で仕分け・再梱包などをして再輸出をするケースもあります。 保税倉庫で仕分け・再梱包 例えば、色んな服が1つの袋に入った古着を カンボジアからタイに輸入して、特定のブランドだけを仕分けして、マレーシアに送るというようなビジネスだってあります。 この時にタイでの輸入税を避けるために タイの保税倉庫で仕分け・再梱包をして 輸出をすれば、タイで税金を払い、更にマレーシアで税金を二重で支払うより、安くなりますよね。 展示会貨物の保税 合わせて展示会貨物についても説明をしておきましょう。 国際展示会では各企業が自社の製品を 色んな国で展示することになります。販売ではなく、展示が目的なので展示会が終了したら元の国に戻さなければいけません。 この時に輸入の関税や消費税がかかってしまっては問題なので、保税展示場という施設を利用したり、ATAカルネという仕組みを使って課税されることなく貨物の輸入をするのが一般的です。 まとめ このように現代の国際貿易には、保税を使った メリットのある貿易取引が出来るような仕組みがあります。 このチャンネルでは使える貿易・物流の知識を随時発信していますので、是非チャンネル登録をして学んで頂ければと思います。 今回のお話は以上です!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

国際物流における「保税の基礎」 | 輸送・ロジスティクス

国際物流における「保税の基礎」

国際物流における「保税の基礎」について動画で解説 どうもこんにちは、飯野です。 今回は国際物流における「保税の基礎」について解説をしてきたいと思います。 輸出入で取り扱う貨物は、船や飛行機に載せられる前、また輸入地に到着した後に「保税」という状態になっています。 国際物流の初心者にとっては、この保税という状態が分かりにくいかと思いますが、今回は保税にまつわる 名称、地域、目的について基礎的な知識を解説していきたいと思います。 それではいってみましょう! まず輸出入の流れを理解する 保税とは何かを理解する前に、貨物の輸出入の流れを見てみましょう。 まず輸出手続の流れはこのようになっています。 ・国内貨物を特定の場所(保税地域)に搬入する
 ・通関で輸出申告を行う
 ・外国貨物として船もしくは飛行機に搭載する
 ・海外へ運ぶ このように、国内貨物を輸出者から引き取り、指定場所に運んでいます。 続いて、輸入の流れを見てみましょう。 ・外国貨物を船・飛行機から積み下ろし、ターミナル・上屋に搬入する
 ・通関で輸入申告を行う
 ・国内貨物として届け先へ配送する このような流れになります。 国内にあるけれども外国貨物? この時のポイントは、通関手続きをしたときに対象の貨物が、 ・輸出の場合は国内貨物から外国貨物の扱いとなり ・輸入の場合は外国貨物から国内貨物の扱いとなることです。 例えば、タイから日本に海上輸送する場合で、港で輸出通関をすると 貨物は物理的にはタイ国内にあるけれども、「外国にある」という扱いとなります。 もちろん海上輸送中も外国貨物扱いです。そして貨物が日本に到着して、輸入通関されるまでの一時保管されている間も外国貨物の状態です。 そして輸入通関が完了すると、その貨物は日本の貨物として扱われることになります。 保税・内貨・外貨・保税地域とは? 合わせて名称も説明しましょう。 先ほど説明したように、貨物が国内にあるけれども、外国貨物という状態を「保税」といいます。そして国際物流の業界では、国内貨物は「内貨」と呼ばれ、外国貨物は「外貨」と呼ばれます。 貨物自体は変わりませんが、輸出入の通関許可を受けた時点で、呼び方と扱いが変わります。通関手続きが保税におけるターニングポイントということです。 貨物を内貨から外貨扱いにすることで、国内にありながら外国貨物の持ち込み・保管が出来る「保税状態」になるのですが、それを保管出来る場所のことを「保税地域」と呼びます。 外国貨物は、原則保税地域以外に置くことはできません。その為、輸出入時に外国貨物扱いとなっているものは、保税地域に置かれなければいけません。 まとめ 国際物流のプロセスにおいて、貨物は必ず保税状態になります。そして貿易にはこの保税状態を利用した、様々な製造やサービスがあります。 その為には別の動画で説明する、保税地域や保税輸送というものを理解して、上手く使わなければいけません。 保税のテーマについて随時更新をしていきますので、チャンネル登録がまだという場合はこの動画の終了時に是非とも登録ボタンを押して下さい。 今回は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

2021年6月物流ニュース | 物流ニュース・物流ラジオ

2021年6月物流ニュース

どうもこんにちは飯野です。 本日は2021年6月分の物流ニュースをお届けします。6月に報道された物流や海運に関するニュースをまとめてみました。 物流に興味がある方、物流関係者の方に役立つ情報を厳選しておりますので、物流のニュースをご覧になった方も、ご覧になっていない方でも分かるように解説していきたいといます。 それでは、いってみましょう。 「2021年1月から3月期 コンテナ船社、記録的な好決算」 主要コンテナ船各社は最高益を大幅に更新し、記録的な決算内容が発表されました。 例年1-3月期はコンテナ輸送の閑散期にあたり、赤字計上する船会社もありますが、今期はコロナ禍の反動で各社とも異例の過去最高益を記録しました。運賃の値上がりが影響し、売り上げ、利益ともに倍以上という驚異的な数字となりました。 船社最大手マースクは売上が前年同期比31%増となりました。40フィートの平均運賃は35%上昇する一方で燃油価格は3割弱も下落したため、4半期の利益額は過去最高となっています。 その他船社各社も大幅増益し、仏のCMAーCGAも前年同期の倍増、中国のCOSCOシッピングホールディングスも売上高がほぼ倍増。その他これまで赤字決算だった台湾のエバーグリーンや陽明海運、韓国HMMも黒字転換し、最高益となり活況をみせています。 「北米航路の混雑、港湾から内陸へシフト。シャーシ不足が深刻化」 昨年から北米航路が混雑し、貨物滞留を引き起こしていますが、その混雑している場所が北米西岸から内陸部へと変化しています。 これまで、北米航路は西岸港湾で沖待ちコンテナ船が40隻超えと港湾に混雑が集中していました。現在は港湾から内陸部にシフトしており、急増する貨物への対応が悪化しているとのことです。 内陸部の中継地点であるシカゴの各鉄道ターミナルに貨物が滞留しており、引き取りに時間がかかっています。 米国の鉄道ターミナルでは一般的にシャーシにコンテナを載せた状態で平置きで運営しています。この方法だとトラックはヘッドだけで来てその後はすぐに、ピックアップできるなど利点が多いのです。 しかし、コンテナの急増やシャーシ不足からコンテナを直置き・段積みに変更せざるを得ない状況になっています。その結果コンテナを直置きしたものの、最終的にはシャーシに載せての輸送になります。シャーシオペレーションの手間が増えたこともあり、貨物滞留を引きおこしています。 シャーシ不足は深刻で船会社はコンテナとシャーシの早期返却を荷主に呼びかけています。 「北米東岸、欧州のコンテナ運賃高騰。塩田港の影響か」 中国・上海航運交易所が発表した上海発北米向けのコンテナ運賃は西岸向けが40フィートコンテナ当たり4,658ドル、東岸向けが8,554ドルとなりました。 西岸向けは2週間ぶりに下落しましたが東岸向けは最高値を更新しました。また北欧州・地中海向けは20フィートコンテナあたり6,000ドルを突破するなど、値上がりが続いています。 これは中国の塩田港の混雑が運賃上昇に影響を与えているようです。 中国の塩田港では港湾遅延が深刻化しており、周辺港の蛇口、南沙港にも波及しており、輸出コンテナの搬出制限が行われています。2021年6年10日時点で、本船遅延は15日程度となっています。 塩田港は新型コロナウイルスの感染者が発生し、検疫が強化されターミナルの処理能力は通常の約3割に落ちこんでいるといいます。そのため船社各社は塩田港の抜港や寄港地変更で対応しています。 この混雑が主にスエズ運河経由の欧州向けや北米東岸向けのサービスに影響を及ぼしており、需要が逼迫している中で運賃高騰に拍車がかかりそうだとのことです。 「マースク社、脱炭素化に向け新サービス Co2排出量測定ツールを提供」 マースクは顧客のサプライチェーン全体で排出されるCo2を測定できる、排出量ダッシュボードの提供を開始しました。 これは顧客が自社製品の輸送にどれだけCo2が排出されているかを分析する装置で、1つの輸送モードだけではなく、船舶、トラック、飛行機などの輸送モードごとのドアツードア全体の排出量を測定できます。 既にマースクの顧客10社が試験的に利用し、その結果をマースクにフィードバックしたことで、今回の本格的な提供開始となりました。 「アメリカ小売大手 ホームデポ、コンテナ船をチャーター、自社輸送へ」 コンテナ船輸送が逼迫している中、荷主がついにコンテナ船をチャーターする動きがでてきました。 アメリカ小売り大手のホームデポは、7月自社輸送を開始するこのことです。アメリカ アマゾン社が航空輸送網を整備するなど、荷主も自ら輸送手段の確保の動きがありますが、コンテナ船をチャーターするのは極めて珍しいことです。 アメリカ海運専門誌がまとめた2020年のアメリカコンテナ輸入企業ランキングによると、ウォルマート、ターゲットに次いで3位。消費財関連の需要が高いです。 コロナ禍の巣ごもり需要で小売業の需要は急拡大し、消費需要はこれから繁忙期に突入することもあり、ホームデポでは輸送スペース確保に乗り出したようです。 「クリスマス商戦に影響が?中国の港の滞留で出荷ラッシュに混乱」 続いては、アメリカからのニュースです。 中国の塩田港の滞留により、世界のサプライチェーンがさらに混乱すると言われています。 ロサンゼルス港とロングビーチ港は1日平均30隻のコンテナ船が貨物の搬入を待っています。パンデミックによって引き起こされた世界的サプライチェーンの混乱は、消費者にとっては数週間に及ぶ配達の遅れを意味しています。 年末の輸入のピークシーズンは8月となっていますが、今期は需要が過度に多く、船のスペースや空のコンテナの供給が極端に不足しており、7月初旬に本格化すると予想されています。 それでもなお混乱は続きクリスマスの買い物リストに影響を与えるかもしれないと、デンマークの海洋コンサルティング会社のCEOは予想しています。 「利益率の低下や過剰在庫などのブルウィップ効果発生の危険性」 パンデミックからの急回復をめざす会社にとって危険な、ブルウィップ効果が現れる危険性が指摘されています。 このブルウィップ効果とは、企業が需要の急増に対応するために、必要以上の製品を発注して、需要の継続的な増加に備えたり、在庫切れを回避したりする現象のことです。 その需要の歪みはサプライチェーンの各段階を経るごとに増幅されていき、その結果、消費者の現実的な需要とはかけ離れ、過剰在庫を引き起こし、利益率を下げることになり、せっかくの経済回復の足を引っ張ることなります。 3月の企業在庫の売上高に対する比率は全体で1.23で、1992年から考えると最も低い数字になっています。そのため大量発注をしてブルウィップ効果の犠牲にならないようにと、警鐘を鳴らしています。 まとめ それでは今回のニュースの解説のコーナーです。 6月では中国の塩田港の混雑が話題になりました。ニュースで解説したようにコロナによる感染対策で港の処理能力が大幅に落ちたことが原因でした。 現在 先進国の各国でワクチン摂取が進んできていますが、まだまだ逼迫した状況で、一つの港でこのように問題が発生するとサプライチェーン全体に影響する状態です。 それは港湾だけでなく、アメリカの内陸はシャーシ不足という問題で物流の目詰まりが発生してきました。更にクリスマス商戦の為のアメリカ輸入が7月初旬に早まるとも予想されています。 今後のワクチン接種の状況やクリスマス需要を考えると、コンテナ不足問題は年末まで解消しない恐れもあります。 それに伴い、ホームデポがコンテナ船をチャーターするという動きをとりました。ここまで海上運賃が上がりスペースが取りにくい状況ですので、超大手荷主ならではの力技です。 Amazonも航空輸送を整備しているとのことで、これからは荷主が自らアセットを持つ時代が来るかもしれません。非常に興味深いニュースでした。 そしてマースクのCO2排出量測定ツールの提供。現在、世界で進められようとしている脱炭素の動きに燃料だけでなく、こういう形で差別化を図ろうとしてくるのは、流石コンテナ業界のNo.1だと思いました。 海上輸送だけでは差別化が非常に難しい業態です。アセットを持つ船会社がこのような動きを取ったのは良い傾向だと思いますし、貨物を運ぶ周辺でこのようなサービス提供が出来ると私自身も非常に勉強になりました。 今回の物流ニュースはいかがだったでしょうか。物流の今が理解できたのではと思います。今回参考にしたニュースのソースは概要欄にリンクを張っておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。 現場からは以上です!ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

貿易における環境保護条約について | 物流コラム

貿易における環境保護条約について

どうもこんにちは。飯野です。 本日は貿易における、環境保護を目的とした国際ルールについてお話をしていきたいと思います。 国と国とをまたいで取引をするのが貿易です。各国の法律・ルールが異なる企業同士で取引をするにあたり、守らなければいけない環境保護に関する国際条約があります。 このような条約がないと、地球の生態系や環境破壊を気にせずに 利益追求だけを考える企業が現れてしまいますので、貿易において環境保護は外せないテーマなんです。 それでは、いってみましょう。 ワシントン条約 まずはワシントン条約です。 ワシントン条約は絶滅危惧種を保護するための国際条約で1975年に発行され、世界で約170国が加盟しています。この条約で保護されている身近な例を挙げますと、象牙のハンコや、ワニやヘビなどの革製品、鷹や虎の剥製などがあります。 商業目的のための過度な取引を防止し、種の絶滅の恐れがある生物をリストアップし、程度に応じて国際取引の規制をしています。 養殖されている経済動物であったとしても貿易取引には許可申請が必要です。CITESという書類を輸出国側で発行し、日本であれば経済産業省に事前に許可申請をして、許可が降りたら輸入が出来るようになります。 ワニ革をCITESで申請 私も以前にタイの地方にいる業者さんから、養殖のクロコダイルが増えすぎて困ってると相談を受けて、クロコダイルの革製品の取引をしていた時があります。 その時の書類申請は慣れてしまえば手間としては問題ありませんが、やはり役所が関係することなのでスケジュール通りにはいかない事が多かったです。 正規の方法を取らずに輸入する 競合の個人事業主も結構いましたので、高価なワニ革製品を税関で没収になるケースもあったかもしれません。 生物多様性上約 一緒に覚えておきたいのが生物多様性条約です。 ワシントン条約は絶滅危惧種の保護を目的とするものですが、生物多様性条約は1993年に発行され、世界で約194カ国・地域が締結し、生物の多様性の保全や、生物資源の持続可能な利用などを目的とするものです。 生物の多様性の保全に必要なのは、外来種の侵入防止が重要です。日本においては外来生物法で被害を及ぼす恐れがある生物を特定外来種に指定し、飼育や栽培、輸入などを規制しています。 外来種ブルーギルによる影響 日本において外来種で有名なのはブルーギルかなと思います。滋賀県の琵琶湖ではブルーギルが急増したことにより、モツゴという魚の 卵や稚魚・成魚が捕食され激減したというレポートもあります。 特定の地域の生物が 外来種によって絶滅の危機に晒される恐れもありますので、どんな生物であっても自由に国をまたいで取引や輸入されるものではりません。 バーゼル条約 そしてバーゼル条約です。 バーゼル条約とは有害廃棄物の国境を越える移動、及びその処分の規制に関する条約で、1992年に発行されました。 この条約が締結された背景としては、1980年代に欧米などの先進国からの廃棄物がアフリカの開発途上国に放置されて、環境汚染が生じるなどの問題がありました。 何の事前の連絡・協議なしに有害廃棄物の国境を越えた移動が行われ,最終的な責任の所在も不明確な状態でしたので、アフリカの国からしたらとんでもないことです。 有害物質の種類 有害物質の例として、水銀、鉛、ヒ素、ダイオキシンなどがあります。再生利用を目的としたスクラップの取引にはこれらの有害物質の含有に注意が必要です。 例えば、ブラウン管、使用済みのニッケル・カドミウム電池、電子部品スクラップ、金属含有のスラッジなど。これらを取り扱うには輸出入にも各関係局からの事前許可が必要です。 輸出側からの書類を入手し、運搬業者や処理業者のリストを含めた情報を日本だと経済産業省に申請をします。具体的な書類の内容は経済産業省のHPにも載っていますし、わかりやすい資料のリンクを貼っておきます。 マルポール条約 海洋汚染を防ぐための国際条約もあります。それがマルポール条約です。 この条約は船舶の運航や事故による海洋汚染を防止するための条約で1973年に採択され、油類はもとより、バラ積み有害液体物質、梱包して輸送する有害物質、汚水および廃棄物のすべてが規制の対象とされています。 LSSチャージ この条約の中で、船舶燃料に含まれるSOx(硫黄酸化物)の濃度を抑制する規制が2020年に改定されました。これはPM2.5による大気汚染、人体の健康被害への対策です。 船舶燃料を低硫黄のものを使用することで、PM2.5を発生させないようにする為の決まりですが、その影響でローサルファーチャージが海運業界では発生するようになりました。 このローサルファーチャージについては別の動画で詳しく解説をしていますので、リンクを貼っておきます。 SOLAS条約 最後に海上人命安全条約のSOLAS条約です。 SOLAS条約とは、1912年のタイタニック号の海難事故を受けて制定された、船舶の安全確保を目的とする国際条約です。環境保護とは少しテーマが離れますが、貿易実務に関連する内容なのでご説明したいと思います。 貿易においての船舶の安全を確保するという意味で、コンテナの総重量を管理する必要があり 荷主はコンテナの総重量を正しく申告する義務があります。その総重量の確定方法がVGM(Verified Gross Mass)として2016年にSOLAS条約で制定されました。 沢山貨物をコンテナに積み込んだほうが荷主としては輸送効率が上がります。コンテナの積載可能重量は各国の道路交通法にも基づいて決まっていましたが、意図的にコンテナ重量を虚偽申告したり、また総重量を正しく測定する方法が分からず誤申告をしたりで、コンテナの荷崩れの事故が発生していました。 重たいコンテナを船の高い位置に置いてしまうと、バランスが悪くなり荷崩れが起こってしまいます。その為に VGMというルールが組み込まれ、現在ではカットオフ前に正しい総重量を申告することになっています。 先日更新したニュースの動画でも、SOLAS条約が改正される予定であるとお伝えしました。自動運航船を安全に運行する為のルール追加ということでしたが、このように時代が変わるにつれて条約は改定されていきます。 まとめ それでは今回のお話をまとめましょう。 昨今では温室効果ガス削減をはじめとする環境対策が注目を浴びております。今回ご説明したように貿易にも環境に関する各種の国際条約の制限を受けるようになっています。 貿易で環境に関する条約は、ワシントン条約、一緒に覚えておきたい生物多様性条約、バーゼル条約、マルポール条約などがあります。また船舶の安全を確保するSOLAS条約についても今回はご説明しました。 貿易実務者としては、自社がこれから取り扱おうとしているものが、特定の条約・規制を侵害するものではないかをしっかりと確認しなければいけません。 規制は時代によって変わります。 特にこれからの時代は 環境に対する規制は更に強まっていくと思いますので、まず貿易には環境保護に関連する条約があることを知り、実務では各法規制や基準を守りながら商取引をしていかなければいけません。 これからもこのチャンネルで貿易について一緒に学んでいきましょう。今回のお話は以上になります!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

インコタームズの取り決め方 | インコタームズ

インコタームズの取り決め方

どうもこんにちは飯野です。 今回は貿易取引におけるインコタームズの決め方についてお話をしていきたいと思います。 このチャンネルではインコタームズについて複数の動画で解説をしております。なのでインコタームズのルールは理解出来たけれども、そもそも貿易取引においては、誰が決めるの?と疑問に思われた方もいるかもしれません。 貿易の初心者にとっては意外な盲点かなと思いますし、これについて知っている方が貿易を有利に進められるケースもありますので、今回は詳しく解説をしていきます。 それではいってみましょう。 インコタームズの基本概念 最初にインコタームズの基本的な概念をご説明させて下さい。インコタームズは輸出者と輸入者の間で取り決められる、 貨物輸送の A.「費用」と「責任」を B.「誰が」「どこからどこまで」を負担するのか を明確にしたルールです。 詳しくはこの動画でインコタームズという再生リストにまとめていますので、そちらをご覧ください。 いつ・どのように決められるの? インコタームズは輸出者と輸入者の間で取り決められると説明しましたが、いつ、どのように決められるのでしょうか?これは見積もりを依頼する時点で、どちらかが提案します。 輸入者、いわゆる購入者が見積もり依頼をするときに、例えばFOB Bangkokで見積もりを下さいと言ったり、CIF TOKYOで見積もりを出して下さいと伝えます。 もしくは輸出者、販売者がこの商品の値段はこんな感じだよと伝えるときに、FOBで出してきたり、ご丁寧に相手国の港までのCIF価格を計算して出してくれる場合もあります。 インコタームズを含んだ価格について ここで、このインコタームズを含んだ価格について説明します。例として、タイの工場から日本の東京の倉庫に、冷凍マンゴーを輸送するものとしましょう。 輸入者が日本で販売する為の原価計算をする時には、製品代金に加えて、タイの工場から東京の倉庫までの「輸送費用」を確認しないといけないですよね。 EXWでの製品価格 例えばこれがEXWで見積もり依頼をした場合。EXWは輸出側の工場で受け渡しという条件なので、輸送費用が含まれていない見積もりが、輸出者から出てきます。 このときに輸入者は製品代金と別に、自分で輸送費用を確認しなければいけません。日本側のフォワーダーに依頼をして、タイの工場の住所から東京の配送先までの住所を連絡して費用を確認します。 FOBでの製品価格 次に、FOB Bangkokで見積もり依頼をした場合。FOBは輸出側の港にて、船の上で貨物を受け渡す条件です。この場合、輸出者は製品代金にバンコク港までのタイ国内の輸送費用、通関費用、港の費用などの諸経費を含めて見積もりを提出します。 バンコクの港から東京の倉庫までの輸送費用は輸入者が自分で確認します。 CIFでの製品価格 そして、CIF TOKYOで見積もり依頼をした場合。CIFは輸入側の港で貨物を受け渡す条件です。この場合は、輸出者は製品代金に東京の港までの、タイ国内の輸送費用、輸出通関費用、輸出側の港の費用、海上運賃、保険代金を含めて見積もりを提出します。 輸入者が貿易に得意であればあるほど、EXWを指定して、工場からの全ての物流を自分でコントロールすることが出来ます。反対に貿易があまり得意でないという場合はCIFやDDPなど輸送を輸出側に任せる事も出来ます。 貿易の得意・不得意について この貿易の得意・不得意についても、もう少し詳しく解説しましょう。 頻繁に特定の商品を輸出入していたら、その貿易取引について詳しくなりますよね。各国の規制、運賃の相場、安全に運ぶ方法なども経験から最適なものを選べると思います。 例えば、先ほど説明したEXWで冷凍マンゴーをタイから日本に輸入する場合。EXWはタイ国内の輸送も日本からコントロールすることになります。何か問題があった時でも取引のあるフォワーダーが、タイの輸送でも問題なく対応してくれるという安心感がないと選ぶのは難しいでしょう。 また輸送量も大きなポイントです。もし輸入者がバンコクから東京までを、毎月1本のコンテナで輸送しているとしましょう。しかし輸出者は東京に複数のお客さんがいるとして、バンコクから東京まで毎月10本のコンテナを輸送しているケースもあります。 この場合、輸出者と輸入者でどちらの方がフォワーダーから価格メリットがある海上運賃を得られるでしょうか?一般的にボリュームの多い方が交渉もしやすくメリットのある輸送費用を得られます。 なので自社での取扱量が少ない場合で、輸出者が複数の取引先をその国に持っている場合は、輸出者側にCIFで見積もり依頼する方がメリットがあるケースもあります。 特定の地域に強いフォワーダーに依頼する 他には特定の地域に強いフォワーダーと取引があること。自社の輸送量は多くないけれども、タイから日本までの輸送を得意としているフォワーダーと取引が出来れば、メリットのある輸送費用を得られることが出来ます。 この場合は自社の取り扱いが毎月1本だっとしても、EXWやFOBでも良いでしょう。 弊社の場合ですと、タイから日本であれば毎月100本以上のコンテナを輸出していますので、弊社にご連絡を頂ければメリットのある輸送費用をご提案出来ます。 このように輸出者、輸入者、フォワーダーの、取り扱い輸送量を考慮し、自社にとってメリットのある条件を選ぶのが、貿易取引におけるインコタームズの選び方になります。 まとめ それでは今回の内容をまとめましょう。 今回はインコタームズのルールを理解しているけど、インコタームズの取り決め方が分からないという人のために解説をしました。インコタームズは輸出者と輸入者の間で取り決められ、輸入者(購入者)が見積もり依頼をするときに、FOB BangkokやCIF Tokyoのように指定して条件を決めます。 その条件を決める際に有利になる情報は輸出者・輸入者の取り扱いボリュームです。輸送量が多いほどメリットのある運賃を得ることが出来ます。また、あなたが特定の地域を得意としているフォワーダーと取引があれば、自社のメリットのある条件を選ぶ方がよいでしょう。 今回説明したように、単にインコタームズを選ぶだけでも「正しい貿易の知識」がある方が、あなたの取引は上手くいく可能性があります。このチャンネルでは使える貿易・物流の知識を定期的に更新していきますので、是非チャンネル登録をして学んで頂ければと思います。 今回のお話は以上です!ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

フォワーダーの営業の採用面接 | 物流コラム

フォワーダーの営業の採用面接

どうもこんにちは飯野です。 今回はフォワーダーの転職時における、面接対策についてお話をしていきたいと思います。 前回、フォワーダーの営業マンの転職収入に関する動画を作成しました。その動画のリンクは概要欄に貼っておりますので、ご興味がありましたら是非見て下さい。 そして今回は面接において雇用側がどのような視点で転職者を見ているのか、どういう人材であれば雇いたくなるのかについてのお話です。 それではいってみましょう。 イーノさんの転職面接の実績 まず私のフォワーダーの転職面接に関するバックグラウンドをお話しさせて下さい。現在私はタイで会社を経営して5期目になります。現時点での社員数は20名という小さな会社なのですが、その分 社長である私自ら求職者の面接をしています。 これまでに累計で50人以上は面接をしていまして、営業・CSを希望する色んな転職希望者と直接話し合いをしてきました。あくまで私の個人的な経験を主体としたお話になりますが、参考になればと思います。 営業マンの採用面接 今回は営業マンの採用面接についてです。営業マンのポジションには2種類あります。これは会社にもよりますが、既存客をフォローする営業。そして新規顧客の獲得営業です。 これらの2つの営業では求められるスキルが異なります。 既存客をフォローする営業 まず既存客をフォローする営業。これは既に取引があるお客のフォローアップが主な目的です。 Bookingや書類手配などはCSが対応するケースもありますが、この営業ポジションでは既存客に問題が発生した時に対応したり、毎月改定される見積もりを作成したりします。またお客が別の国で新しいビジネスを決めたり、新しい商品を輸送する時に、それらの規制を確認したり、最適な船会社・航空会社のサービスを提案したりもします。 既存営業で求められる能力 この営業マンに求められるのは、お客の問題をいち早く察知する能力と、友達に近い関係を作れるコミュニケーション能力です。 既に取引がある会社との関係構築なので、お客の担当者に気軽に問題を話してもらえるような関係性の構築が重要です。ここが出来ないと、競合の優秀な営業マンが現れた時に切り替えられてしまいますから。 既存営業で面接官が見ているポイント 面接の時には主に話し方を見ています。明るく気持ちよく話しているか、話は分かりやすいか。フォワーダー未経験だとしたら、ここが秀でていないと難しいと思います。仕事の正確性を面接だけで判断するのは難しいですが、履歴書をしっかりと書いているとか、身だしなみを見て参考にしています。 新規顧客開拓の営業 次に新規顧客を開拓する営業マンの採用面接です。 新規開拓をするということで、新しい会社にガンガン積極的に売り込んだり、短い時間で相手の懐に入っていける 人たらしのようなコミュニケーション能力が必要になります。 ハンター営業 弊社ではハンター営業と例えていまして、このスキルを持っている人は、面接の30分くらいの間でハンター性を感じるものがあります。適度にグイグイくる感じと、1人で演芸をしているかのような話し方。面接中であっても普通に質問をしてくる積極性。 ちなみに過去に面接した中で2人くらいしかいなかったです。これは弊社のコミッションの仕組みにも関係すると思っていまして、弊社の仕組みや規模だと、ここまで優秀な人材は滅多に現れません。 問題解決能力 そしてこれらフォワーダーの営業ポジションで共通していること。それは問題への対応能力です。フォワーダーの実務ではとにかく問題は起きますから。 弊社では「過去に経験した一番大きな問題は何か?」「それに対してどのように対応したか?」について質問をしています。 そして面接中にはその他にも色々な質問をします。質問に対してこれ!といった正解はありませんが、面接官が好む回答というのはあります。 フォワーダーという仕事を理解し、応募するポジションの人材がどのような事を求められているかを、事前に考えて準備をしておくといいでしょう。 フォワーダーの履歴書・職務経歴書 そして履歴書、職務経歴書も大切です。私が面接をしている時に見ているのは、過去の仕事の実績、転職回数、在職期間、前職の給料、希望給料です。学歴はほとんど気にしません。営業マンの転職面接なので、気になるのは過去にどのような仕事を成し遂げたかです。実績を数字で書いていると興味が湧きます。 営業としての必須情報 ・既存の営業であれば、既存顧客をどれだけの期間維持したのか、既存客からどれくらい伸ばしたのか。 ・新規営業であれば、新規顧客をどれくらいの期間で、どれくらいの顧客数、金額を売り上げたのかなど。 これは基本情報ですね。 その他の情報として、先ほどご説明した過去に発生した問題の内容、どのように対応したかも書いてあると良いと思います。 面接官によってはそれを聞かない人もいるでしょうし、問題解決能力はフォワーダーでは絶対に必要なことなので。 転職回数と在職期間 次に気になるのが転職回数と在職期間です。例えば毎年転職をしていると、雇っても1年で辞められてしまうと思ってしまいます。過去の在職歴は長いほど、この人は長く働いてくれそうだと思うものです。 雇用側としては、採用にはコストがかかっています。転職エージェントに依頼したり、転職サイトに掲載するだけでもコストはかかりますし、採用面接もかなりの時間を取られます。 そういう意味で長く働いてくれるというのは、雇用側からしたら大切なことなんです。ジョブホッパーとして収入を上げていくのは悪いことではありませんが、やることをやってから転職をして欲しいと切実に思います。 前職の給料と希望給料 そして前職の給料と希望給料です。雇う側からしたら出来るだけ安くて良い人材が欲しいものです。でもそんなに世の中は甘くないのも知っています。 しかし、雇用側が最も避けなければいけないのは、優秀だと思って高い給料を払うけれど、実際は対して仕事が出来ない人を採用してしまうことです。 これは、その人材を活かしきれない雇用側の問題もあるでしょう。しかし私たちのような中小企業でしたら、社長自ら面接をしているくらいです。採用活動に100%の時間と労力をかけることが出来ないので、見落としてしまうことが残念ながらあります。 日本で採用活動をしたことがないので分からないですが、タイでの経験上では求職者は実績をかなり盛ってる場合があります。盛っているだけなら可愛いものですが、明らかに嘘をついている場合もあります。面接での会話の違和感を無視して採用に失敗したこともありますし、逆に大丈夫かな?と思って採用したら意外と良かったということもあります。 実際には30分くらいの面接では分からないことだらけです。 使用期間を大切にする だから3ヶ月ほどの使用期間というのがあります。雇用側と求職者側のミスマッチをここで防ぐことが出来ます。これは雇用側だけでなく、求職者側にとっても大切な期間です。 HPや面接ではキラキラした事を言っていたけど、実際はどうなのか?営業とCSの連携は取れているか?営業も積極的にオペレーションに参加しないといけないのか?ノルマがキツすぎないか?などなど。求職者側としたら使用期間を早く終えたいと思うかもしれませんが、この期間に自分に合うか合わないかを見極めるのも非常に大切です。 雇用側はこの期間を過ぎると社員を解雇するのが法的に難しくなります。なので、この期間に合わないと感じたら本採用しないという選択が出来るわけですから、求職者側としても自分に合わないと感じたら辞めても全然 大丈夫なわけです。 個人的には早い方が良いと思っています。自分に合わない会社で働き続けるのは苦行ですから。 最後に一般的なことですが、転職面接で重要なことを羅列します。 ・身だしなみ ・ハキハキした受け答え ・時間通りに来る ・相手の目を見て話す ・ダラダラと長く話さない という感じでしょうか。これらに関しては本やネットで情報が出てくると思いますので、そちらを参考にすれば良いと思います。 まとめ それでは今回のお話をまとめましょう。 今回はフォワーダーの営業マンの採用面接というテーマでお話をしました。営業ポジションには主に、既存客をフォローする営業と、新規客を開拓する営業があります。 それぞれのポジションで求められていることは違います。既存客の営業では、相手の問題をいち早く察知する能力。友達に近い関係を作れるコミュニケーション能力が求められます。そして新規開拓営業では積極性や、人たらしのようなコミュニケーション能力があるかないかを面接で見ています。 そして履歴書と職務経歴書で見るポイントは過去の仕事の実績、転職回数、在職期間、前職の給料、希望給料でした。 就職とは雇用側も求職者側のマッチングです。お互いがwin-winになれるように、まずは面接の時間で大切な事を話し合い、そのあとは使用期間で自分と会社が合うか合わないかを判断すれば良いと思います。 転職を考えると、自分を商品として意識する事ができます。高い収入が必要なのであれば、自分を高く買ってくれるところに売り込みに行く必要があります。転職では、これまで自分が積み重ねてきた実績や経験が、キャリアとして人前に提出することになるのです。 そう考えると日々の活動に対しても、身が引き締まるような気がしませんか? 今回のお話が参考になれば幸いです。チャンネル登録がまだという方は是非ともこの動画の終了時によろしくお願いします。 それでは以上になります。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

メーカー・商社の貿易実務について | 物流コラム

メーカー・商社の貿易実務について

メーカー・商社の貿易実務について動画で解説 どうもこんにちは。飯野です。 今回は、メーカーや商社の貿易実務についてお話をしていきたいと思います。 私は以前に商社に勤めていた経験がありまして、その時のお客は国内外のメーカーでした。 国内のメーカーに材料を海外から調達したり、国内のメーカーが製造した製品を海外に販売したりしていました。 貿易といえば商社とイメージするのは一昔前の話で、最近ではメーカーも独自で輸出入をしています。 貿易の流れはメーカーや商社でも基本的に同じなので、ポイントを解説していきたいと思います。 では、いってみましょう! 材料の調達 まずは材料の調達です。この資本主義の世の中では、生産コストが安い国で作られる原材料を使い、コストを抑えて利益を出すのが基本です。 また材料の調達だけでなく、生産拠点自体を海外に移して、安い材料や人件費を使って完成した製品を輸入する場合もあります。 また製品の販売は国内だけではありません。 自国で作った製品を外国に販売する、他国で作った製品をまた別の国に販売するなど、国を超えての販売活動もメーカーや商社の営業マンたちの仕事になります。 コスト最適化と安定供給のための貿易知識 営業担当者が仕入れ先や販売先との交渉を有利に進められるように、貿易担当者はコストを最適化する為、または安定供給をする為に、 物流や各国の規制を理解するなど、十分な貿易知識が必要とされます。 輸送手配 仕入れや販売などの売買が成立すると、輸送手配が必要になります。 国際取引では国と国とをまたぐため、法律や規制が色々と異なり、輸送をフォワーダーなどが手配することになります。 具体的な輸送方法や納期などは、メーカーや商社の担当者が、フォワーダーに指示することにより、希望に沿ったスケジュールを選ぶことできます。 しかし新規案件の場合や、何か物流の問題を抱えている時、もしくは現行の物流をより良くしたいという場合は 輸送方法をフォワーダーに相談することをお勧めします。 フォワーダーは実務上 色んな経験をしていて、各国の規制にも精通しており、物流を最適化するアイデアを持っています。 実際に貨物を輸送する段階では フォワーダーは貨物を引き取り、港や空港に運び、船会社や航空会社に依頼して貨物を輸入地まで運びます。 その後 通関業者が通関をし、国内運送会社が配送するという流れになりますが その流れをワンストップサービスとして フォワーダー任せにすることも出来ます。 もし輸送量が多い場合はフォワーダーを使わず メーカーや商社自ら、船会社や航空会社への運賃の交渉、予約を行い、 更に通関、トラック手配なども、自ら行い、より競争力のある価格を実現する事も出来ます。 船積書類の作成 次に船積み書類の作成になります。 商品内容、個数、容積、重量などの情報は、実際の商取引に沿った内容でなくてはなりません。 書類の例として、インボイス、パッキングリスト、原産地証明書などがあり、基本的にはメーカーや商社が作成するものです。 税務上の証明書になりますし、各国の規制にあったものを作成しなければなりません。 各国の規制にあった正確な書類が必要 正確な書類でないと輸送上でもトラブルの原因となります。 私自身、現場で本当に多くの書類ミスによるトラブルを経験しています。 インボイス、パッキングリストとS.I(Shipping Instruction)を元に、海上輸送をする場合は、船会社やフォワーダーからB/Lが発行されるのですが よくある書類のミスは、インボイス、パッキングリストとB/Lで、商品の個数、重量、容積の数字が違うケースが本当に多いです。 書類が正しくないと税関で止められて、書類が正しく修正されるまで通関が通りません。 納期問題だけでなく、デマレージといった港での延滞料金も発生しますので、書類を作成する際は十分にお気をつけください。 納期調整、在庫調整 メーカーや商社では納期調整や在庫調整も必要です。 輸入であれば必要な商品がいつ届くのか。在庫はどのくらいあるのか。 また国内到着した後の商品をいつ使うのか、という納期調整などの業務が必要になります。 輸出であれば、貨物の出荷具合によって生産調整などの管理も必要になります。 代金回収 代金回収についても忘れてはいけません。 貿易では国をまたいだ決済となりますので、信用問題(お金の回収)がつきまといます。 貨物を送ったけれども、代金が未回収になるようなことが無いように 銀行の保証をつけたり、事前入金をしてもらったりして、お金の問題を防ぐことも大切なポイントです。 まとめ それでは今回の内容をまとめましょう。 メーカーや商社の貿易の仕事では、商品の売買を有利に進めるために、貿易担当者がサポートをします。 直接貿易、間接貿易、3国間貿易など、貿易には様々な形態があり、輸送方法も複数の選択肢から選べます。 メーカーや商社は輸出入業者として、フォワーダーに自社の希望を伝えることは重要です。 フォワーダーは実務経験上、色々な案件を見てきているので、最適な物流を提案してくれます。 その他にも、書類の作成、納期・在庫調整、代金支払い・回収も大切な業務です。 「貿易」とひとくくりに言っても、このように複数の業務を同時進行する必要があり 貿易担当者には十分な知識が求められます。 この動画では貿易に関する様々な知識をお伝えしているので、是非 チャンネル登録をして学んで頂ければと思います。 今回のお話は以上になります。ありがとうございました。 ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。

フォワーダーの営業の転職について | 物流コラム

フォワーダーの営業の転職について

どうもこんにちは、飯野です。 今回はフォワーダーの転職についてお話をしていきたいと思います。 転職は一般的 昨今における日本では、もはや終身雇用の時代ではありませんし、転職という選択肢は私個人的には一般的なものだと思っています。 また私が活動しているタイにおいては転職はごくごく一般的なものです。タイでは転職をすることで収入を一気に上げたり、職場で嫌な上司などがいたら すぐに環境を変えたりもしています。 今日はフォワーダーの営業マンの転職というテーマで、特に収入という側面に絞ってお話をしていきます。 CS(カスタマーサービス)担当者の転職についてもまた別の機会でお話しさせて頂きますので、是非チャンネル登録をしてお待ちください。 それでは言ってみましょう。 イーノさんの転職実績 まず最初に私の転職におけるバックグラウンドをお話しさせてください。私はフォワーダーの営業としてガチで転職活動をしたことはありませんが、転職自体は3回しています。またフォワーダーの会社の経営者として累計50人以上は転職者と個別面談をしてきました。 この経験と業界の傾向を元に、雇用側がどのような視点で転職者を面接しているのか お話しすることが出来ます。 フォワーダーは転職しやすい? まずフォワーダーという仕事の特性上、転職自体はやりやすいと思います。会社が違えど、基本的な国際物流のプロセスは変わりません。会社によって使用するシステムは違いますが、仕事の流れとしては大まかには同じです。 転職先の会社のルールにさえ慣れてしまえば、普通に仕事が出来てしまいます。弊社に同業者から転職してきた営業マンたちも1ヶ月もすれば問題なく働いています。 転職による収入アップ そして転職活動で気になるところは、収入についてではないでしょうか。転職をした方が会社の毎年の昇給率に比べると、一気に収入アップ出来るケースは多いです。 弊社での参考例ですが、毎年の昇給率は業績にもよりますが5%前後です。しかし転職してくる人の前職の収入、希望収入を比べたら、20%くらい上げようとしてくる傾向があります。 このように社内の昇給より転職の方が一気に収入を上げることが出来るので、2−3年に一回は定期的に転職する人たちもいます。 これをジョブホッパーとして揶揄されることもあるのですが、アメリカの人たちが生涯で転職する回数は12回くらいとも言われています。 自分を商品と考えれば、出来るだけ高く売りたいと思うのがこの資本主義の世の中です。もちろん人生の幸福は収入だけではありませんが、生活をする上では 収入は大切な要素の一つだと私は思います。 雇い主の心情 雇う側としての心情としては、スタッフには出来るだけ長く働いてほしいと思っていますし、そのように職場環境を整えているつもりです。しかし、これは私の考えですが、1年で辞められたらキツいけど、3年くらい働いてくれたらとりあえずOKかなとも思っています。 どれだけ雇用側が努力をしても、コストや仕事のパフォーマンスを考慮すると、給料を青天井に上げられるというものではありません。スタッフたちはそれぞれの人生を歩んでいる訳ですし、彼らにも働く場所を選ぶ自由があるからです。 営業ポジションを考える 話を戻します。フォワーダーの営業の転職収入の話をするにあたり、まずフォワーダーの「営業ポジション」についてご説明します。これは会社によっては営業に求められることが違うからです。 既存の顧客を維持したり、伸ばしたりする営業なのか。または既存のマーケットの新規顧客を開拓する営業なのか。もしくは、会社として新しいプロジェクトで新しいマーケットでの新規開拓営業なのか。これらは会社によって違います。 既存客の維持が出来る営業マンを探している会社は、営業社員の離職が理由で急いで探しているケースもありますし、新規顧客開拓の営業を探している会社は、更に業績を伸ばしたいと考えています。 これらのポジションに対しては、自分の向き、不向きで選べば良いと思いますし、転職先がどのような営業ポジションを求めているのかを 事前に確認することでミスマッチを防げます。 重宝される新規開拓営業 しかし重宝されるのは後者の新規開拓が出来る営業マンです。既存客のフォローも”もちろん大切”なのですが、既存客への営業は、既に実績と関係が出来ているのでそれ程難しくはありません。しかし新規開拓となると、飛び込みや紹介を駆使して積極的に新しい案件を取っていかなければいけません。 弊社ではハンター営業という言葉を使って例えています。新規を獲得し、フォローアップして、収益を増やしていく。これは業績を伸ばしていきたい会社にとっては非常に重要なことです。 フォワーダー営業の報酬形態 ここでフォワーダーの営業マンの報酬形態についてもお話をしましょう。日系のフォワーダーでは固定給の場合が多いと思います。しかし外資系のフォワーダーではコミッション、いわゆる歩合制を取っている会社もあります。 流石にフルコミッションのフォワーダーの営業は私は聞いたことがありませんが、固定給がある程度あって、それ以上の収入を稼ぐにはコミッションという感じです。 夢があるフォワーダーのコミッション コミッションの仕組みは各会社によって違います。これはノウハウ的なところもありますので、公の場での情報開示は難しいですが、弊社のタイ人トップ営業マンのコミッションは社長である私の給料より多いです。 そう聞くとちょっと夢があると思いませんか?もしあなたが新規獲得が得意と言うのであれば、コミッション制を採用している会社への転職もいいかと思います。 固定給で高い給料が欲しい場合は、やはり大手フォワーダーへの転職なのかなと思います。大手の日系エアフォワーダーの30歳くらいの営業マンで、年収が700万円あるという話を聞いたことがあります。 物流業界の景気も考える また高収入を狙いたければ業界の景気も考える必要があります。国際物流業界は現在は好況です。大手であるほどスペース確保もしやすく、ロングホールの売り上げも高いので、大手フォワーダーの業績も、船会社や航空会社とともに良い状況です。 しかし、この好況がいつまで続くかは不明です。コンテナ不足が解消しても、2022年の7月1日以降に、米国西海岸の国際港湾倉庫労働者組合の労働協約が失効されます。個人的にはこのタイミングで、またアメリカの港でコンテナ流動の目詰まりが発生して、海上運賃は上がり業界が好況になると思いますが、その後は分かりません。 別の動画でも説明しましたが海運業界の歴史では ここ数年ずっと不況で、現在の好況の反動が来る可能性も十分にあります。大手だからといっても安心は出来ません。まぁ、これは他の業界でも同じなんですけれどもね。 ちなみに、私は大手フォワーダーに雇ってもらう方法を知りません。。ごめんなさい。でも、もし私が大手フォワーダーに雇ってもらおうとするのであれば、コネ作りに積極的に活動するでしょう。いわゆるリファラル採用です。 人材紹介会社を使っても、私のような経歴の人間であれば雇ってもらえない可能性が高いと思います。。私の場合はコネを使っても難しいかもしれません。 まとめ また話がそれてきましたので、ここら辺でまとめます。 フォワーダーの営業という仕事では、転職はしやすいとお話をさせて頂きました。他の会社でも国際物流の流れは同じですからね。そういう意味で仕事の不安は少ないと思います。 そして転職で収入を上げるという考え方。毎年の昇給率より転職した方が一気に収入があげられます。ジョブホッパーと揶揄される国もあれば、アメリカのように生涯で12回くらい転職するのが一般的という国もありますので、もっと転職についてフランクに考えてもいいかもしれません。 そしてフォワーダーの営業には、主に既存客のフォローと新規顧客の開拓に分けられます。自分の向き不向きを理解しましょう。新規獲得が得意な人はコミッションがある会社も検討するのもありです。固定給で高い収入を目指すのであれば、やっぱり大手フォワーダーなのかなとも思います。 とは言え、営業マンは実績をあげてナンボです。中小のフォワーダーだと高い実績を出せれば、より高い収入もあり得る話です。実際に弊社では営業マンの収入の方が、社長の給料より高いというお話もさせて頂きました。今回のお話が参考になれば幸いです。 また別の動画ではフォワーダーの転職で、面接の時に雇う側が気にしていることや、カスタマーサービスの転職についても話したいと思います。 また次の動画でお会いしましょう。ありがとうございました! ・Twitter で DM を送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedIn でメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/ お問い合わせは「ツイッター」と「LinkedIn」のみで承っております。