2020.11.25
インコタームズ – DAP/DPU/DDP – Dグループについて
動画でインコタームズDグループを解説! 今回はインコタームズ2020のDグループのDAP/DPU/DDPについて解説をしていきたいと思います。 インコタームズの2000,2010,2020と時代を経て、取引をより分かりやすく、明確にする為の規則の変更があったのですが、既に廃止されたDDUやDATなども普通に商習慣的に実務で使われたりします。 ですが今回は最新のインコタームズ2020のDグループにフォーカスをして解説をしていきたいと思います。 まずインコタームズについて簡単に説明しておきましょう。インコタームズは簡単に言えば貿易取引において売り手と買い手での、費用負担とリスク負担の取り決め条件です。 売り手と買い手で、どこからどこまでの費用とリスクを負担するかを明確に決められた国際的な貿易条件だと覚えておいて下さい。 DAP - Delivery At Placeとは それではDAP/DPU/DDPの用語の解説と費用負担とリスク負担について それぞれ一つずつ説明していきます。 まずはDAPです。 DAPはDelivered at Placeの略称で仕向地持込渡しと日本語では呼びます。DAPでは輸出者が輸入先の指定場所にて「荷下ろしする前まで」の費用とリスクを負担します。 なので輸出側は荷下ろしをする義務はありませんし、荷下ろし中のリスクの負担は買い手になります。 そして輸入通関や、関税・消費税を含む税金は輸入側の負担となります。 別の動画ではより理解しやすい為に簡易的にDAPについてを解説していますが、正確には今回の説明のようになります。 DPU - Delivery at Place Unloadedとは そしてDPUですが、DPUはDelivered at Place Unloadedの略称で、荷卸込持込渡しと日本語では呼びます。 DPUの貨物の費用負担とリスク負担では 輸出者が輸入先の指定の場所にて「荷下ろしが完了するまで」の費用とリスクを負担します。 輸入通関は買い手の負担になり、輸出側に輸入通関をする義務はありません。DAPとDPUの違いは「荷下ろしの費用と責任」のみになります。 DDP - Delivery Duty Paidとは 最後にDDPです。DDPはDelivery Duty Paidの略称で「仕向地持ち込み渡し関税込み」と日本語では言います。DDPは配送が完了するまでの費用とリスクを売り手が全て負担する取引条件です。 買い手である輸入者からしたら最も楽な取引条件と言えるでしょう。DPUやDAPでは通関は買い手の負担でしたが、DDPでは通関や税金も売り手が負担する事になります。 Dグループの荷下ろし責任まとめ Dグループの費用負担とリスク負担を一覧にしてみるとこのようになります。DDPの荷下ろしの義務ですが買い手が負担する事になっています。 もしあなたが買い手側として、荷下ろしが難しい機械設備などの輸送で、どうしても貨物の荷下ろしを輸出者側の責任でやってほしいならDPUを指定しましょう。 書類への記載方法 インコタームズのDグループでは荷下ろしする場所を明記することが大切です。なので契約書やInvoiceなどではこのように記載します。 DPU/DAP/DDP 「住所」 Incoterms2020. DPU ABC Warehouse Shinagawa Incoterms2020 住所にはTokyoやKobeなどの港や地域の名称ではなく、特定の場所が分かるように記載をしましょう。 インコタームズのDグループは輸入側の買い手が指定する届け先まで貨物を手配しなければいけません。なので輸出者である売り手は、輸入先の事をよく知っている必要があります。 この時に必要なのが輸入側でのフォワーダーです。輸出側で取引のあるフォワーダーがこれから貨物を送る地域にフォワーダーの支店や代理店があるのか。 もしなければ送り先の物流手配が出来ないのでDグループでの条件は使うことが出来ず、CFRやFOBでの取引になってしまいます。 DDPの注意点(フォワーダー向け) 輸入先のフォワーダーとDDPの注意点について実務的な例をご紹介します。 DDPは輸入時の関税と消費税を輸出者が払うことになっています。 しかしそれは輸入側のフォワーダーが税金を一旦 立替えており、後に輸出側のフォワダーに請求書が送られています。この時にもし税金の金額が大きいとちょっと問題になります。 輸入側のフォワーダーで税金の立替の上限金額を決めている会社も少なくありません。輸出側と輸入側のフォワーダーの関係も重要です。 取引を始めたばかりの代理店であれば高額な税金の立替は拒否される可能性が高いです。 なのでDDPを依頼された輸出側のフォワーダーは事前にInvoiceを輸入側に送って、税金の立替について輸入側と確認をしなければいけません。 廃止されたDDUとDATは使用できるのか? そしてインコタームズの2010と2020で既に廃止されているDDUとDATですが、全く使うことが出来ないのか?というと、問題なく使えます。 貿易の実務を行なっている弊社でもお客様のInvoiceにDDUの記載はいまだによく見かけます。 インコタームズは売り手と買い手の間で取引がスムーズに行われるように決められた規則ですが、法律ではありません。 DDU/DATよりDAPの使用を推奨 インコタームズ2020ではICC(国際商業会議所)がDATの代わりにDAPを使いましょうと推奨していますが、あくまで推奨です。 貿易では売り手と買い手での明確な合意があれば、取引で問題などが生じたとしても、話し合いなどで解決することが出来ます。 なので契約書やInvoiceにDDUやDATと記載して、売り手と買い手でそれに合意をしていたら基本的に問題はありません。 まとめ 今回はインコタームズ2020のDグループについて詳しく解説をしました。 現在では新しいインコタームズの規則が決まったばかりですが、まだまだ商習慣的にインコタームズ2010で廃止されたDDUが使われていたりします。 今回説明したようにインコタームズはあくまで規則であり、売り手と買い手の取引の合意をサポートするものです。義務ではありません。 ですが物流の担当者として新しい情報をしっかりと理解し、お客様との取引で明確な合意の元で取引が出来るようになりましょう。 ・TwitterでDMを送る https://twitter.com/iino_saan ・LinkedInでメッセージを送る https://www.linkedin.com/in/shinya-iino/
